小学校の頃は、門限がずっと5時だった。 夏休みだけはすこしだけ緩かったような気がするが基本的に5時の音楽がなるまでに家に帰っていないと、玄関にカギをかけられた。 帰り道、いつも途中のジャンボシュークリーム屋の時計で時間を確認した。 時計の針はたいてい間に合うはずのない時間を指していた。 昔から学習しない子供だったのだ。 走る。 走る。 いつのまにこんな時間になっていたのだと、信じられないきもち。 家が火葬場なので町のはじっこで遠い。 子供は時間感覚が全然ないが、私は人一倍そうだった。 早く出発しなきゃならないのに公園の近所の子といつまでも遊んでいて遅くなってしまう。 家に向かう途中、いつも街頭がオレンジの明かりをつける瞬間を見る。 あ! 時間になると自動でつくのかしら? 急ぐという行為に集中できず、街頭が灯る瞬間を見れたのが少しラッキーに感じながら、ぼんやり家路に急ぐ。 空はまだ本格的な夜