【北京=矢板明夫】第二次大戦中、日本で過酷な労働を強いられたとして中国の元労働者らが日本企業に賠償を求めている問題で、中国側の労働者団体が3日、三菱マテリアルが示した和解案を大枠で受け入れる方針を決めた。和解は近く成立するとみられる。対象者は3765人と日本企業による戦後補償では過去最多となり、支払総額は80億円規模となる。 関係者によると、三菱マテリアルと和解交渉をしている5つの労働者団体のうち、3団体の代表者が3日午前に北京市内で会合を開き、和解案について「責任を曖昧にする態度と金額には不満があるが、高齢に達している関係者の多くが生存しているうちに解決したいという気持ちをふまえ、受け入れる」と決めた。 3団体は和解を受け入れる声明を発表。残る2団体は声明に署名していないが、同じ条件で和解する意向を示したという。ただ、一部団体の中には反発する意見もあり、流動的な側面も残っている。