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ブックマーク / call-of-history.com (5)

  • 「大聖堂・製鉄・水車―中世ヨーロッパのテクノロジー」 | Call of History ー歴史の呼び声ー

    ヨーロッパの中世を「暗黒時代」、すなわち「暴力と狂信と無知と停滞の時代」とする見方はすでに否定されている。確かに絶え間なく続く戦争と、キリスト教的世界観の浸透と、ローマ教会の支配が築かれ、ギリシア・ローマ時代の知識が少なからず一時的ながら失われた時代ではあったけれども、後に近代を切り開く土台となる様々な技術のささやかながら着実な革新が繰り返された、ゆっくりと着実な進歩の時代であった。その中世ヨーロッパのテクノロジーとイノベーションはどのようなものであったのか、緩やかな技術革命の千年を振り返る一冊である。 別に中世ヨーロッパが栄光の時代であったとか、産業革命に比肩する技術進歩の時代だったなどと言う訳ではなく、ただただ、後進地であったヨーロッパで中世の千年間で起きていた地道な技術的革新の歩みを描いているに過ぎないが、そこにドラマがあり、面白さがある。ジャレッド・ダイアモンドとかウィリアム・H・

    「大聖堂・製鉄・水車―中世ヨーロッパのテクノロジー」 | Call of History ー歴史の呼び声ー
  • 「〈身売り〉の日本史: 人身売買から年季奉公へ」下重 清 著 | Call of History ー歴史の呼び声ー

    中世・近世を中心に日において人身売買がいかにして無くならず生き残り続けたか、を通史として浮き彫りにした文字通り「身売り」の日史の概説。 古代から中世にかけて、人はものとして売り買いの対象だった。鎌倉・室町時代を通して時の政権も例えば無理やり誘拐や騙して売り飛ばしたりといったものは不正とされたが人身売買そのものは禁止されなかったし、戦国時代は文字通り「人取り」という奴隷売買が国内のみならず海外向けにも行われていた。江戸幕府になっても禁止されたのは人商い業と人をかどわかして売る行為であって人身売買そのものは禁止されなかった。ただ、譜代下人から年季奉公へと雇用形態が変化したことによって人身売買の対象は大きく縮小したが、男性の人身売買はほぼ無くなったものの、いわゆる遊女・売女など苦界に沈めるという行為を通しての女性の人身売買は残り続けることになった。 何故江戸時代に女性の身売りは無くならなか

    「〈身売り〉の日本史: 人身売買から年季奉公へ」下重 清 著 | Call of History ー歴史の呼び声ー
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    upran 2018/12/14
  • 良作の予感「エーゲ海を渡る花たち」少女二人の中世ヨーロッパ旅行漫画開幕!

    エーゲ海を渡る花たち | 妹を探すため、ふるさとのクルムへと戻りたいオリハと、その旅に同行したいリーザ……ふたりの旅が今始まる! 15世紀半ばのイタリア・フェラーラにて、世界を旅することを夢見る少女・リーザは、クルム(現クリミア)から来た少女・オリハと出会う。妹を探すため、ふるさとのクルムへと戻りたいオリハと、その旅に同行したいリーザ……ふたりの旅が今始まる! 公式ページ・ストーリーより 8月22日に第一話が公開されたばかりの新作ですが、とても面白かったです。主人公の一人リーザ・ロセッティが旅することを夢見る通称「跳ねる嬢(インペンナータ)」と呼ばれるおてんばな商家の娘、もう一人のクルム(クリミア)からイタリアへと紆余曲折を経てたどり着いた物静かで思慮深そうなスラブ系少女オリハが出会い、心打ち解けて旅立とうという第一話でした。舞台となる中世後期のイタリア都市フェラーラの観光案内やメシ、そし

    良作の予感「エーゲ海を渡る花たち」少女二人の中世ヨーロッパ旅行漫画開幕!
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    upran 2018/09/06
    中世イタリア版の森薫か(超褒め言葉)
  • 「コレモ日本語アルカ?――異人のことばが生まれるとき」金水 敏 著

    「さあ、のむよろしい。ながいきのくすりある。のむよろしい。」 映画、マンガ、アニメ、小説など創作において中国人のキャラクターが描かれるときに特徴的な言葉遣いがある。実際の中国人が使うことはない<アルヨことば>はどのように誕生してきたのか、「役割語」を専門とする著者がそのルーツと歴史的な形成過程を整理したのが書である。 <アルヨことば>の主な特徴<アルヨことば>の主な特徴として以下の四点が整理されている。(P3) A 文末に「ある」がついて断定を表す(「ある」語法と呼ぶ)。 B 文末に「よろし(い)」がついて命令ないし勧誘を表す(「よろしい」語法と呼ぶ)。 C 「が」「を」等の助詞が抜け落ちている。 D 文と文をつなぐ接続詞や接続助詞も抜け落ちて、文と文の関係がつかみにくい。 宮沢賢治作「山男の四月」と中国人蔑視このような<アルヨことば>の初出は宮沢賢治作「山男の四月」(1921年)である

    「コレモ日本語アルカ?――異人のことばが生まれるとき」金水 敏 著
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    upran 2016/01/24
    ビジンじゃなくてピジン(Pidgin)だよ…。本一冊だけ読んで語ろうとすると、こういう事が起きやすいよね。(追記)修正されてるけど、最初は全部ビジンだったのよ
  • 「排泄物と文明: フンコロガシから有機農業、香水の発明、パンデミックまで」

    ウンコの話を恥ずかしげもなく喜んでするのは子供たちで、大人たるものおおっぴらにウンコの話をするものではない・・・というのは様々な社会で概ね常識とされている見方だろう。しかし、ウンコはヒトが生物である限りにおいて、毎日のように直面させられるものだ。 そして、人類というおおきな括りで俯瞰すると、排泄物とどう向き合ってきたかが、人類の文明史を推し量るパースペクティブを提供する。さらに視野を広げて生物と排泄物との関係を捉えようとするなら、まさに排泄物を通じた情報・エネルギーの交換は生態系の複雑性を表すことになる。そんな、排泄物が動かしてきた人類、生態系、文明について俯瞰できる、ベストセラータイトルをもじるなら「ウンコはどこへ行った?」「これからのウンコの話をしよう」といったテーマに要約できるだろう、クソ面白い一冊。 目次 序章  フンコロガシと機上の美女 第一章 舌から落ちるもの 第二章 糞の成分

    「排泄物と文明: フンコロガシから有機農業、香水の発明、パンデミックまで」
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