東芝が100億円を投じて、横浜市に新設し、2009年11月に稼働した原発開発拠点、磯子エンジニアリングセンター新棟。ここに導入した最新の建設シミュレーションシステムは、不測の事態に即応する様々な仕掛けが盛り込まれている。 その仕掛けはシステムの名前に表されている。「6DCAD(コンピューターによる設計)」。6次元のシステムという意味で、立体的な3D設計技術に、「工事の物量管理」「工程計画」「人員計画」の3つの要素を加えた。 3D画像の横に、最短で1時間ごとに区切られた詳細な工程計画表を映す。 例えば、配管部品の到着が遅れることが判明したとする。工程計画表上の配管工事のスタート時間を後ろにずらすと、ほかの工程を短縮したり、影響が出ないように工事の手順を入れ替えたりするなどして、完成時期が遅れないように全体のスケジュールを調整する。 これに応じて、作業人員の数も同時に変更する。作業員が立体映像