台湾中央研究院、イギリス・バーミンガム大学、東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構 (Kavli IPMU)、東北大学からなる国際研究チーム (注) は、すばる望遠鏡で撮影した 50 個の銀河団の観測データを用い、我々の宇宙を満たす、光を発しない謎の暗黒物質 (ダークマター) の密度分布を宇宙空間のひずみ「重力レンズ」効果を通して求め、暗黒物質の分布が "冷たい暗黒物質" (Cold Dark Matter, CDM) モデルの予言する特徴と一致する新たな証拠を発見しました。 約 80 年前に天文学の研究から暗黒物質の存在の証拠が指摘されて以来、その存在を疑う天文学者は今ではほとんどいないと考えられます。しかしながら、天文学者は宇宙の暗黒物質を直接見ることはできません。また、素粒子物理学者も暗黒物質の候補である未知の素粒子を地上実験で未だ発見できていません。宇宙の物質の約 85 % が暗黒物質