【概要】 近年の太陽系外惑星探査では1つの恒星の周りに複数個の惑星が存在する「多重惑星系」の発見例が増加しており、「ホットジュピター(灼熱巨大ガス惑星)の近傍には他の惑星が観測されない」という観測的特徴が明らかになってきました。ところが、惑星系形成理論は、この特徴の起源を説明できず、重要な謎として注目を集めていました。名古屋大学大学院理学研究科の荻原正博・博士研究員らの研究グループは、多重惑星系の形成過程を模擬した最新のコンピュータシミュレーションを実行した結果、ホットジュピターはその軌道の外側に形成した地球型惑星によってその軌道が内側に追いやられ、最終的には恒星と衝突して飲み 込まれるというメカニズムがあることを発見し、このメカニズムを「クラウディングアウト(押し出し)」 と名づけました。そして、このメカニズムを惑星系形成理論に導入すると上記の「ホットジュピター近傍での惑星欠乏」を自然に