◎感想 東は「ウェブ的なもの」を「文学」概念へと組み入れ、現状の文芸誌を中心とした「文学」の概念を再考させることを狙っているようである ◎以下、討論「小説と評論の環境問題 第二部」『新潮 2008年 03月号』の流れを追う ○東浩紀「キャラクターズ」のセリフを高橋が引用する 「小説とは、作家のためでも読者のためでもなく、ましてや編集者や書店員のためでもなく、なによりもまず、現実という単独性の支えを失い、可能世界の海を亡霊のように漂っている「キャラクター」という名の曖昧な存在の幸せのために書かれるのだということ、そしてそれこそが、文学が人間に自由と寛容をもたらすと言われていることの根拠なのだ――。」 作家、編集者、書店員と読者の関係はツリー型の構造であったが、ウェブにおける「キャラクター」はデータベース型の構造になっている 東はここで、作家、読者、編集者、書店員といった、既存のツリー型の文学