衆院選の自民党開票センターの当選確実を示す花が並んだボードを背に、笑顔でテレビ出演する安倍晋三首相=東京都千代田区の党本部で2014年12月14日、藤井太郎撮影 安倍晋三氏は自民党総裁に返り咲いた2012年以降、退陣までの7年8カ月で行われた六つの全国規模の国政選挙すべてで勝利した。 特に2012年衆院選で政権を奪還して以降、13年参院選の勝利で(参院で野党の議席が与党の議席を逆転する)「ねじれ国会」を解消し、14年は衆院解散・総選挙に打って出て勝利した。この三つの選挙で「安倍一強」と言われる長期政権の基盤を築いた。 「ハイとロー」「保守とリベラル」 安倍氏は第2次政権で外交・安全保障政策などの高度に政治的な「ハイ・ポリティクス」と経済政策や文化政策のような国民生活に近い「ロー・ポリティックス」の両面を展開した。保守色が強い憲法改正を志向する一方で、経済面ではリベラルなアベノミクスを打ち出