今回もまた「無痛分娩の基礎と臨床」(角倉弘行著、国立成育医療センター手術集中治療部産科麻酔部門主任、真興交易(株)医書出版部、2011)を参考にしながら、助産師(あるいは医師)にとって無痛分娩とはどのように映っているのか考えてみたいと思います。 この本の「第10章 無痛分娩を円滑に導入するために」の中で、2003年から著者が麻酔科医としてある大学病院で無痛分娩を導入するプロジェクトの経験が書かれています。 第一段階(準備期間)は、無痛分娩を円滑に導入するために産婦人科医、麻酔科医および助産師の理解を得ることを目標とした。そのために、手始めに産婦人科医の医局会や助産師の勉強会でレクチャーを行ったが、産科医や助産師の無痛分娩に対する認識との間に大きな隔たりを痛感した。具体的には、産科医は硬膜外カテーテルさえ入れてくれれば後は自分たちでできると考えており、また助産師は無痛分娩にそもそも悪い印象を