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  • 政治における「敵」の三つの類型 - 雪斎の随想録

    ■ 前のエントリーで、民主党青森県連代表の「反革命分子」発言を批判した。 雪斎が小泉純一郎時代の「構造改革」を支持していたことに対する皮肉の意味合いもあるのか、「それならば、政敵を抵抗勢力と呼んでいた小泉は、どうなのか」という反応がある。 結論からいえば、「全然、同じではない。違うであろう…」というところである。 政治という営みの質は、「友」と「敵」の峻別にあることを指摘したのは、カール・シュミットだった。 忘れていけないのは、シュミットは、その「敵」を三つに分類していたことである。。 どのように分類したのか。 ① 在来型の敵 ② 現実の敵 ③ 絶対の敵 ①は、ゲームにおける「敵」のイメージである。サッカーのチームが、相手チームの監督を「敵将」お呼ぶイメージである。だから、「敵」に対する憎悪の感情は、ほとんどない。戦争が終われば、「敵」とも握手して別れる。 ②は、自分の安全や利害に対して

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  • 「反革命分子」の思考 - 雪斎の随想録

    ■ 鳩山内閣には、懸案を処理していく「推進力」は、もはやない。 普天間基地案件の決着は、雪斎が読む限り、次の三つのシナリオしかない、 ① 鳩山総理が、苦渋の決断を演出して、「現行案」に近い線での落着を図り、政権の維持を狙う。 ② 鳩山総理が、自分の首と引き換えに、「現行案」に近い線で落着させる。 ③ 普天間移設が、実質上、頓挫する。 この件jは、あとで、あらためて書くことにしよう。 ところで、民主党のウェブ・サイトを見ていたら、次のニュース記事には、腰を抜かした。 ○ 小沢幹事長「民主党青森県連躍進パーティー」で挨拶 腰を抜かしたのは、次の記述である。 主催者を代表して、横山北斗県連代表が「昨年の総選挙では、まさに革命と呼ぶにふさわしい出来事として、私たちは政権交代を実現したが、革命の後は、反革命が起こる」とし、「今、民主党を批判する反革命分子に負けずに、この危機を乗り越えて行かなければな

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  • 政権失速の裏で… - 雪斎の随想録

    ■ 在日外国人に地方参政権を与える動きがあったけれども、政府・中枢は、「もはや、それどころではない」といった風情であろう。 □ 小沢幹事長辞職を」67%、内閣支持42% 世論調査 朝日  2010年1月17日23時25分 朝日新聞社が16、17日に実施した全国世論調査(電話)によると、元秘書の石川知裕衆院議員らが逮捕された民主党の小沢一郎幹事長の政治資金問題で、小沢氏が責任をとって幹事長を辞職するべきだとの意見が67%にのぼった。鳩山内閣の支持率は42%と前回調査(12月19、20日)の48%から下がり、不支持の41%(前回34%)とほぼ並んだ。 小沢氏の辞職は必要ないとの答えは23%。「辞職するべきだ」は民主支持層でも51%と多数だった。政治資金問題をめぐる同氏のこれまでの対応に「納得できない」は88%と圧倒的で、民主支持層でも81%がそう答えた。 また、この問題で民主党に対する評価が「

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  • 拝啓、イチフ・オザーリン殿 - 雪斎の随想録

    ■ 「あーあ、やっちゃったわね…」。 □ .<小沢幹事長>「辞表提出後に言うべきだ」宮内庁長官を批判 12月14日20時25分配信 毎日新聞 民主党の小沢一郎幹事長は14日、党部で記者会見し、天皇陛下と中国の習近平副主席の特例的な会見を巡り、天皇陛下の「政治利用」に懸念を示した羽毛田信吾・宮内庁長官の発言について「内閣の一部局の一役人が、内閣の方針をどうこう言うのは、日国憲法の理念を理解していない。どうしても反対なら、辞表を提出した後に言うべきだ」と厳しく批判した。 小沢氏は天皇陛下と会見する際、1カ月以上前に申請する慣例について「(1カ月ルールは)誰が作ったのか。宮内庁の役人が作ったから、金科玉条で絶対だなんて、そんなばかな話があるか」と不快感を表明。その上で「天皇陛下の行為は、国民が選んだ内閣の助言と承認で行われる。それが日国憲法の理念であり、旨だ」と強調した。 天皇陛下と習副

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  • 不忠の臣 - 雪斎の随想録

    ■ これは怖い。「肌に粟を生じせしめる」とは、こういうことか。 □ 政治利用に懸念表明=陛下と中国副主席の会見設定-宮内庁長官 12月11日20時11分配信 時事通信 来日する中国の習近平国家副主席と天皇陛下の会見が通常の手続きを踏まずに決まったことについて、宮内庁の羽毛田信吾長官は11日、「陛下の政治的利用につながるのではないかという懸念を持っているか」との質問に「大きく言えばそういうこと」と述べた。 羽毛田長官は「こういったことは二度とあってほしくない」とも述べ、不快感を示した。 羽毛田長官によると、会見要請の打診が宮内庁にあったのは先月26日。陛下と外国要人との会見は1カ月前までに申請する慣行に反していたため、同庁は翌日、外務省に断る意向を伝えた。 しかし、平野博文官房長官から今月7日、羽毛田長官に「日中関係の重要性にかんがみてぜひお願いする」と電話があった。 羽毛田長官は「陛下をお

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    uumin3 2009/12/12
    皇室外交というものがあるとして、やはりそれはどこの国とも等間隔というものであるべき。これは自ら価値を貶める行為では。
  • 「二枚舌」の遊戯 - 雪斎の随想録

    ■  この二つの記事を、どのように評すべべきか。. □ 鳩山首相、米側に日米合意を重視するともとれる極秘書簡を送っていたことが明らかに FNN 11月から始まった普天間移設問題を話し合う日米作業部会を通じて、鳩山首相がアメリカ側に、日米合意を重視するともとれる極秘書簡を送っていたことが明らかになった。 11月13日の日米首脳会談の翌日、鳩山首相が外遊先で、記者団に対して、今後の協議について、「日米合意を前提にしたものではない」と発言し、両首脳の認識のずれが表面化したと報じられたことについて、鳩山首相は、ルース駐日大使にあてた書簡で「心配されているかもしれないが、そうした報道などに惑わされないでください」と伝えていた。県内移設の「日米合意重視」ととれる内容だけに、今後波紋も呼ぶものとみられる。 (12/03 17:08) □ 首相、普天間移設「新しい場所を」 外相・防衛相に検討指示  日経

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  • 師走の最初の「与太話」 - 雪斎の随想録

    ■ 師走である。 行政刷新会議における「仕分け」の顛末は、興味深かった。 第一に、「仕分人」と称される議員の見識の浅さが顕かになったことである。「政治主導」などという割には、財務官僚とと同じことをやっている。多くの学者の反発を招いた科学技術予算の扱いも、「日は、技術っていくしかない国だ」という認識が根底にあれば、あの結果は出てくるはずはない。「とにかく削ってやろう」という意識が最初にあるから、こういう話になる。 第二に、こうした議員を「必殺・仕分人」などと呼んで称揚した一部のテレビ・メディアの阿呆ぶりが、よくわかったということである。来年、オリンピック・イヤーのときに、テレビ・メディアは、アスリートの尻を叩くに決まっている。彼らが、アスリートのスポンサーに成るのであればともかく、アスリート強化予算を縮減しようという「仕分け人」をたたえているのだから、愚劣としかいいようがない。他人の努

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    uumin3 2009/12/03
    「必殺仕分け人」とか言い出したのは確か鳩山総理…
  • 連続する「食言」 - 雪斎の随想録

    ■ 昨日夕刻、身体的な状況が急変したので外出予定をキャンセルする。 誠に残念な判断である。 雪斎も、長命は無理だろう。 ■ 昨日、オバマ演説は、色々な意味で「興味深い」演説であった。言葉が大事にされている。 それにしても、下の記事には、唖然とした。 □ 普天間移設、現計画前提とせず=作業グループ、米大統領の見解に異論-鳩山首相 11月14日21時22分配信 時事通信 【シンガポール時事】鳩山由紀夫首相は14日夜(日時間同)、シンガポール市内で同行記者団に対し、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題に関する日米の閣僚級作業グループについて「オバマ米大統領は日米合意が前提と思いたいだろうが、それが前提なら作業グループをつくる必要はない」と述べ、作業グループでの議論は、現行計画のキャンプ・シュワブ沿岸部(同県名護市)への移設を前提としたものではないとの見解を示した。 オバマ大統領は同日の

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  • 理想主義の「輝き」 - 雪斎の随想録

    ■ バラク・H・オバマがノーベル平和賞に選ばれた。 広島・長崎両市が2020年夏季五輪を招致すべく、検討に入ったそうである。 今、世界に到来しつつあるのは、「理想主義」の時節であろう。 こうした理想は、他の人々に対する「偏狭」とか「排除」の色合いを持たない限りは、そして「独善」の傾きから免れている限りは、それ自体としては歓迎すべきものであろう。 だから、オバマの「核兵器のない世界」構想を前にして、「そんなことができるのか…」と反応するくらい、無粋なことはない。それは、マーチン・ルーサー・キングの「私には夢がある」演説を前にして、「そんなことが実現するのか…」と冷笑するのが、愚昧であったというのと同じ趣旨である。 ただし、理想主義が「輝き」を保っている時節は、実は短い。 1920年代、アリスティード・ブリアンやグスタフ・シュトレーゼマンによって、「国際協調」を旨とした外交が展開された。ロカル

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  • 鳩山由紀夫よ、「友愛」を口にするな。 - 雪斎の随想録

    ■ 「2016年東京五輪」の招致は、失敗に終わった。大望を抱くのが難しい時代になったようである。バラク・H・オバマを投入しても第一回投票で脱落したシカゴの姿は、オバマの「神通力」の失速を世に印象付けることになろう。リオデジャネイロは、45年前の東京、昨年の北京と同様に、「新興国の五輪」を開催することになる。後は、インド、イスラム圏、アフリカ大陸でできるかということであろう。日としては、ブラジルに大いに祝意を示すべきであろう。もっとも、雪斎は、個人としては「東京五輪」をリアルで体験してみたい気がするので、「2020年」に向けて仕切り直しをしてもらいたいと思う。招致委員会も「解散」ではなく「再起」である。雪斎は、それを期待する。 ところで、雪斎は、IOC理事会での鳩山由紀夫総理のスピーチには、率直に唖然とした。「この政治家は、コペンハーゲンに、自分を売り込むために来たのか…」と毒吐きたくなっ

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  • 鳩山「闇鍋」内閣始動 - 雪斎の随想録

    「闇鍋」である。 それは、「実際に、どんな具をわされたかは、それをしてみて初めて気付く」というものである。 民主党は、当初、「松阪牛も、鹿児島黒豚も、花咲蟹も入っています」と触れ込んで人々を集めたのだが、当に高級材ばかりが入っているのかは、定かではない。もしかした、後で「素性」を」聞いたら気持ちが悪くなるような「とんでもないもの」が混じっているかもしれない。この期待と不安を表現するのに、「闇鍋」は、いい言葉であろう…と自賛してみる。 確かに、「期待値」は高い。 □ .<鳩山内閣>支持率77% 小泉内閣に次ぎ歴代2位 9月17日20時20分配信 毎日新聞 毎日新聞は16、17日、鳩山内閣の発足を受け緊急の全国世論調査を実施した。内閣支持率は77%に上り、発足後最初の調査では小泉内閣の85%(01年4月)に次ぎ歴代2位の高水準となった。非自民勢力が結集して誕生した細川内閣発足時(93年

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  • 民主党の「現実路線」の虚実 - 雪斎の随想録

    ■ 当然の対応である。 □ 民主が海賊対策に海自容認、外交で現実路線 7月23日3時3分配信 読売新聞 民主党は22日、衆院選政権公約(マニフェスト)の基となる2009年の政策集をまとめた。 政権獲得を視野に入れ、海賊対策のため自衛隊派遣を容認することを盛り込んだ。インド洋での海上自衛隊による給油活動の中止を明記せず、対米関係への配慮を強めるなど外交分野で現実路線を打ち出した。将来の消費税の税率引き上げにも含みを残したほか、給与所得控除に適用制限を設けるなどとしている。民主党は政策集の内容を絞り込み、月内に政権公約を発表する。 民主党は例年、党の部門会議の議論をもとに政策集を作成している。今年は衆院選があるため、鳩山代表らも加わり、政権公約と一体で作成した。 海賊対策では、一義的に海上保安庁の責務であり、同庁の体制整備を図るとした。その上で、「海上保安庁のみでは対応が困難な場合は、シビリア

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  • 政治的な立場と人格 - 雪斎の随想録

    ■ 人々が、どのような政治上の立場を取るかということは、その人物の人格の反映である。下のような図表がある。これは、『現代政治学入門』(永井陽之助・篠原一共編、有斐閣))という歴とした政治学教科書に書かれていることである。 「強靭なな心性」 | | | | | | 「急進」---------「保守」 | | | | | | 「柔和な心性」 横軸は、物事を観察する視座である。これは説明を要しまい。 縦軸は、物事に対する姿勢である。「強靭な心性」とは、その成長過程で、様々な欲求の統御の術を上手く体得することが出来なかった人々に多い、故に、外部に対する姿勢は、非妥協的、攻撃的なものになる。「反共の闘士」とか「革命の志士」とかという類の人物は、このタイプに属する。他人を表立って馬鹿にしたり、罵倒するような言辞を吐く人々も、そうすることで不満を解消しようという心理の下にある点では、同じようなタイプであ

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  • ミサイル騒動の後先 - 雪斎の随想録

    ■ 北朝鮮のミサイル発射は、成功だったのか、それとも失敗であったのか。 余り語られていないけどもも、その鍵は、あのミサイル発射の後、「北朝鮮からミサイル技術を買いたい」と思った国々が、どれだけあったかということである。 北朝鮮政府が「大営発表」をやっているように、人工衛星打ち上げに成功したのであれば、北朝鮮も、「衛星ビジネス」に参入する道に入ることができるかもしれないけれども、そういところに活路を見出そうとしている様子もない。 ミサイルに関していえば、結局、兵器としては「弓矢」の展開形である以上、その価値を決めるのは、「的にあたる」精度である。北朝鮮が、たとえば、グアム島を狙ってミサイルを発射すれば、その弾頭は確実にグアムに落ちることが前提であって、サイパンにおちても意味はない。テポドンⅡは、射程だけならアラスカも含んでいるけれども、弾頭を果たしてアンカレッジに落とすことができるのか。そ

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  • 日本の「盾」としての「村山談話」 - 雪斎の随想録

    ■ 金曜日に田母神前空将の論稿を題材にして産経新聞「正論」欄に原稿を載せた。中身は、ここで書いた二つのエントリーを元にしたものである。 予定通り、産経新聞が運営している「iza ブログ」界隈では、不評である。四月末には、「さじをなげたく」なったものであるけれども、今は、「そういうものであろう…」という諦念が先に立っている。 ただし、産経新聞というメディアにおける「多様性」を世に示そうとするならば、雪斎のように、「正論左派」でやっていくことの意味は、決して小さくない。「正論」欄という論説欄に書き始めたのは、もう10年も前である。過去十年の間に書いた原稿は、既に120は超えるであろう。10年前に「異例の若さ」で迎えてもらい、その後、今に至るまで最若手の一人である。「よくも続いているな…」と思う。 「正論左派」を標榜する雪斎が倣いたいと思っているのは、「正論」欄の第一号執筆者である猪木正道京都大

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    uumin3 2008/11/10
  • 名称なき「好況」が終わったあとの風景 - 雪斎の随想録

    ■ 日午前より「人間ドック」入りである。 「人間ドック」に入った後、数日、体力を回復させる手前、エントリー更新は、来週頭まで停止である。 その前に、ひとつ書いておくことがある。 戦後の好況局面には、岩戸景気、伊弉諾景気、バブル景気といった名前が付いていた。 それならば、戦後最長と呼ばれた2000年代前半の好況局面は、なんと呼ばれるのか。 「小泉構造改革景気」、「ヒルズ景気」…。そんなとことであろう。 しかし、この長い好況局面は、一般には「好況局面」として余り実感されて来なかったようである。 そのことは、この好況局面が、「借金を返しただけで終わった」類のものであったからである。 色々なものを切り詰めて借金を必死になって返して、「さあ、これから楽しもうか」と思った矢先、好況局面が終わった。そうした風情である。それだけ、日にとっては、「バブル崩壊」の後遺症は、甚大なものであったのである。大体

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    uumin3 2008/10/23
    "故に、現状を小泉「構造改革」路線のせいにして、物事が判ったような気になってはならないのである"
  • テロ支援国家指定解除? - 雪斎の随想録

    ■ 『インターナショナル・ヘラルド・トリビューン』紙に掲載されたAP通信記事「政府筋、米国は北朝鮮をテロ・リストから外す模様」(U.S. dropping North Korea from terror list, officials say)には、次のような文面がある。 米国政府による北朝鮮のテロ支援国家指定解除を伝える記事である。 The removal from the U.S. list of state sponsors of terrorism, is only provisional, the officials said. North Korea would return to the list if it failed to comply with inspections of its nuclear facilities as part of the effort to

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    uumin3 2008/10/13
  • 「養成」の衰退 - 雪斎の随想録

    ■ ベルナルト・ハイティンクという指揮者がいる。長らくオランダのロイヤル・コンセルトへボウ管弦楽団の常任指揮者を務め、ボストン交響楽団やシュターツカペレ・ドレスデンのような名門オーケストラを振って、今はシカゴ交響楽団のシェフである。その中庸、堅実を旨とする指揮において、雪斎が最も好きな指揮者の一人である。 昨日も下の一枚を聴いた。 ● 「マーラー 交響曲第4番」 ところで、このハイティンクという指揮者は、前任のエドゥアルト・ファン・ベイヌムが若くして世を去ったために、三十歳の「若造」の立場でコンセルトへボウの常任指揮者を任された。そして、ハイティンクは、長い間、「凡庸」、「退屈」と評された。しかし、今は、現代最高の名匠の一人として数えられている。「若者には、機会を与え、長い目で見守る」。そうしたヨーロッパ流の人材養成の流儀がうまくいった事例である。 政治家の養成という営みも、似たようなとこ

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    uumin3 2008/09/03
    "…論ずる対象の政治家を嘲っているものがある。こうした種類の言論は、煎じ詰めれば、「俺は偉いんだよ」というカタルシスを得たいだけの代物である。"
  • ブログ運営停止のお知らせ - 雪斎の随想録

    ■ 日未明、「やってられないわ」という気分を表明したところであるけれども、段々、その気分が亢進したので、このブログの運営も潮時だなという想いも出てきた。 ということで、突然ではあるけれども、このブログの運営も相当な期間に渉り、停止することにする。 思えば、このブログの運営は、政治学者が世の「床屋政談」に付き合ってみるという趣旨で始めたものであったけれども、そうしたことにも、限界を感じている。誰か、雪斎のほかに、世の「床屋政談」に付き合おうとする政治学者がいれば、その活躍を期待するけれども、雪斎がその奇特な役割の一端を担いつづける必要もあるまい。 雪斎は、「永田町時代」から、仕えた愛知和男代議士の意向と無縁であることを強調しながら言論活動を続けてきたけれども、「永田町」から撤退して一年過ぎても、「永田町」とのつながりを云々する向きがあるのを知れば、「床屋」と「永田町」、あるいは「大学」を架

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    uumin3 2008/04/23
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