今年の夏の観光地の光景をみて 今年の夏、ヨーロッパの観光地には大量の観光客が押し寄せ、その様子が繰り返しニュースになりました。インフレや人手不足で旅行にかかる費用が上がり、また観測史上最高の暑さを記録するなど、今年は観光に不利な条件が揃っていました。それにもかかわらず、コロナ危機直前の2019年とほぼ同じ水準、あるいはそれを上回る数の観光客が、多くの観光地を訪れました。 それでは、観光地はどこも人で溢れかえる時代が、ふたたびやってきたのでしょうか。コロナ禍の数年間は、観光になにも変化をもたらさなかったのでしょうか。 本稿では、このような素朴な疑問を出発点に、おもにドイツ語圏での観光事情や変化をふりかえります。コロナ規制が解除され、人々がふたたび観光をはじめるようになったいま、今後の観光のあり方は世界中で関心を集めているテーマです。小稿が、日本での観光に関する議論においても、なんらかの新しい
![オーバーツーリズムとコロナ禍の先にあるもの――ヨーロッパの観光の現状から考える/穂鷹知美 - SYNODOS](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/ef859da4a44a7f87288d37afe83dc8f6fcc280aa/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fsynodos.jp%2Fwp2%2Fwp-content%2Fuploads%2F2023%2F10%2FRom-700x525.jpeg)