映画「RAILWAYS(レイルウェイズ)」の舞台となった一畑電車(本社・出雲市)に、東京都出身の51歳の男性が中途入社し、研修に励んでいる。かつて首都圏の私鉄で務めた運転士の魅力への思いを断ちがたく、縁結びの地・出雲での再出発を決断。Iターンを機に結婚もし、49歳で運転士を目指す映画さながらに、男性は第二の人生のスタートを切った。 この男性は吉岡稔男さん(51)=出雲市大津町。東京・浅草生まれで、1974年に京成電鉄に入社後、大半を運転士として過ごし、仕事には深い愛着があった。 転機は2006年に訪れた。異動で就いた駅の助役の管理業務になじめず、翌年に退社し、観光バスの運転手に転身した。だが、昼夜を問わない過密な勤務に、体力的に続ける自信が揺らいだ。 反比例するように頭をもたげたのが「もう一度、お客さんを乗せて電車で走りたい」との願い。今年6月には思いを抑え難くなった。 そんなとき