昨年の衆院選を圧勝した民主党のマニフェストで、子ども手当と並ぶ看板政策だった高速道路の無料化。国土交通省は今月2日、平成22年度に社会実験として6月をめどに実施する37路線50区間を発表した。しかし、公表されたリストを見て、落胆や期待外れと感じた読者も少なくなかったのではないだろうか。 マニフェストでは平成24年度の完全実施をうたい、そのために1兆3千億円の予算を確保するとしていた。ところが、22年度の予算枠は、国交省の概算要求(6千億円)を大幅に下回る1千億円。実施対象は地方の交通量の少ない区間が中心で、東名・名神や首都高速、阪神高速のほか、広島や福岡などの都市圏にかかる主要幹線も対象から外れた。 その結果、22年度の無料化区間計1626キロは、高速道路全体(首都高速、阪神高速を除く)の約18%にすぎない。 政権交代後、高速道路の無料化をめぐっては、渋滞の悪化やフェリーなど民業への圧迫、