窪江進次(くぼえ・しんじ)さん、62歳。 今年(2013年)3月、検診で血液に異常が見つかり、大腸と食道に、がんがあると診断されました。 窪江進次さん 「他人のことかなと、信じられなかった。」 驚いた窪江さんは、治る可能性があるか尋ねました。 医師からは、すでに末期ガンで肝臓にも転移しており、余命6か月、手術しても2~3か月の延命と告げられたのです。 この時、窪江さんには、やりかけの仕事がありました。 建築士として、新たな住宅の設計を請け負ったばかりでした。 当時のカルテには、告知された直後の窪江さんの言葉が残されています。 “仕事をしたい。” 建築士として、独立して30年。 設計から施工まで、客の思いを真剣に受け止めて、一軒一軒、形にしてきた窪江さん。 手術で延命しても、今の仕事を仕上げることはできないと、手術は受けず、仕事をやり遂げる決心をしたのです。