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ブックマーク / oneflewover.hatenadiary.org (7)

  • 間接事実によるプログラムの著作権の複製又は翻案の立証 - 理系弁護士の日常

    証拠が相手方当事者に偏在しているために、権利者にとって被疑侵害態様の立証が困難な場合があります。典型的な例は、製造方法の発明です。この問題については、最近の知財紛争処理タスクフォース報告書でも、証拠の収集手段について言及があります。 https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/kensho_hyoka_kikaku/2015/dai13/siryou2.pdf そのほかにも、プログラムの著作権の複製又は翻案についても、相手方のソースコードが入手できない場合には、プログラムの動作などの間接事実から立証せざるを得ないという制約が加わります。 東京地判平成27年6月25日(平成25年(ワ)第18110号)でも、被告プログラムが原告プログラムの複製又は翻案であるか否かが争点の一つでした。原告は、証拠保全手続きによっても、被告プログラムのソ

    間接事実によるプログラムの著作権の複製又は翻案の立証 - 理系弁護士の日常
  •  審査基準の改訂案 - 理系弁護士の日常

    特許庁が、審査基準の改訂案を公表し、パブコメの募集を始めています。 https://www.jpo.go.jp/iken/kaitei_150708.htm 今回の改訂の経緯については、産業構造審議会のWGの配布資料及び議事録が参考になります。 http://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/shingikai/shinsakijyun_menu.htm 大きな項目としては、進歩性での相違点の判断が総合考慮型の規範的要件であることが明示されたことが挙げられます。従前、技術分野の関連性や効果の位置づけについて、とかく議論が迷走しがちであったところ、要件事実の観点から議論が収束することが望まれます。 もっとも、「『規範的要件に関する一般的な判断手法にならい』、まず、進歩性が否定される方向に働く要素に係る諸事情に基づき倫理付けができるか否かを判断し」「論理づけができると

     審査基準の改訂案 - 理系弁護士の日常
  • 差止の外国判決の間接管轄 - 理系弁護士の日常

    米国での差止判決が日で執行できるか否かに関し、最高裁判決が出ました(最判平成26年4月24日(平成23年(受)第1781号)。 今回の最判は、差止請求について直接管轄がどのように判断されるのか、その解釈が間接管轄にどのように反映されるのか、という論点に関し、興味深いものです。 [事案の概要] 事案は、以下のとおりです。 上告人Xは、カリフォルニア州法人であり、営業秘密として、眉のトリートメント技術及び情報を保有していました。Xは、訴外A(日法人)に対し、当該営業秘密を開示し、日国内での独占的使用権等を付与しました。被上告人Yらは、Aの従業員であり、当該営業秘密を知りました。そして、Yらは、Aを退職し、日国内において、当該営業秘密を使用しました。 Xは、カリフォルニア州法典の損害賠償及び差止めの規定に基づいて、米国の連邦地裁に損害賠償及び差止めを求める訴えを提起し、認容判決(「件米

    差止の外国判決の間接管轄 - 理系弁護士の日常
    voyage46
    voyage46 2014/04/29
  • 職権での無効理由通知、解決課題の認定 - 理系弁護士の日常

    換気扇フィルター事件の第2次審決取消訴訟が判時2197号119頁に掲載されています。 この事件は、無効審判の2回目の審決取消訴訟です。第1次審決では、特許庁は特許を進歩性欠如により無効としましたが、その審決取消訴訟(第1次審決取消訴訟)では、裁判所は、第1次審決を取り消しました(知財高判平成23年1月31日判時2107号131頁)。その際、裁判所は、Problem-Solutionアプローチを変形して、課題の設定がユニークであれば進歩性を認めるという規範を打ち出し、注目を集めました(規範の部分は、末尾に引用)。 Problem-Solutionアプローチでは、発明の課題は、最近接技術との対比から客観的に定まります。その客観的課題の観点から、最近接技術と副引用技術との組み合わせの容易性が検討されます。その際、最近接技術の課題には、登場する余地がありません。しかし、第1次審決取消訴訟では、Pr

    職権での無効理由通知、解決課題の認定 - 理系弁護士の日常
  • 進歩性の判断枠組みにおいて、効果は、要件事実としてどのように位置づけられるか - 理系弁護士の日常

    進歩性の判断枠組みでの相違点の判断のステップは、要件事実的には、総合判断型の規範的要件と解されています(総合判断型の規範的要件の例として、借地借家法28条の正当事由)。総合判断型の規範的要件では、各種の要素が総合評価されます(借地借家法28条の正当事由で類型化された要素として、建物の使用を必要とする事情、賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況、建物の現況、立退き料)。 相違点の判断の場合、考慮要素としては、審査基準にもあるとおり、技術分野の関連性、課題の共通性、機能及び作用の共通性、顕著な効果、阻害事由などが挙げられます。 相違点の判断で特徴的な点は、容易想到性の評価根拠事実と評価障害事実(進歩性の評価根拠事実と評価障害事実)とが分離しており、容易想到性の評価根拠事実が不十分であれば、評価障害事実の検討に進むまでもなく、容易想到性なし(進歩性あり)との結論に至る点です。 このような特徴は

    進歩性の判断枠組みにおいて、効果は、要件事実としてどのように位置づけられるか - 理系弁護士の日常
  • 引用発明の適格性 - 理系弁護士の日常

    願発明の進歩性を判断する際、まず、引用発明を決め、その引用発明から願発明に至ることが容易であったか否か(つまり、願発明と当該引用発明との相違点を解消することが容易であったか否か)を検討します。この引用発明は、主引用発明とよばれます。 現在、主引用発明の選択について、特に制約は設けられていません。したがって、進歩性を否定する立場の者は、自由に主引用発明を選択することができます。 もっとも、主引用発明の構成が願発明と類似していても、発想が大きく異なっている場合には、結果として、主引用発明から出発して願発明に至る動機づけが否定されてしまいます。このような場合、主引用発明(又は主引例)が適切ではなかったという趣旨で、主引用発明の適格性という言葉が用いられることがあります。 別の観点からすると、そのような発想の異なる発明を主引用発明にせざるを得ないほど、願発明の発想が優れていたともいえま

    引用発明の適格性 - 理系弁護士の日常
  • サポート要件と実施可能要件との違い、明細書記載の課題はすべて解決されなければならないのか、記載要件と進歩性との両立 - 理系弁護士の日常

    以前書いたとおり、 http://d.hatena.ne.jp/oneflewover/20100930/1285858294 サポート要件と実施可能要件とは、その守備範囲が相当に重複するものの、一致するわけではありません。知財高判平成24年10月29日(平成24年(行ケ)第10076号)は、それを裏付けるものです。 この事案で問題となった発明は、メチレン架橋化多環フェノール性酸化防止剤の組成物に関します。主成分であるメチレン架橋化多環フェノールの構造式は、以下のとおりです。 C6H2(t-Bu)2(OH)-*1n- C6H2(t-Bu)2(OH) (I) (n=0, 1, 2, 3;末端のフェニル基では、t-BuはOHのオルソの位置(2, 6位)にあり、パラ(4位)でメチレン基に架橋する。中央のフェニル基では、t-Buはオルソの位置(2位)にあり、パラ(4位)でメチレン基に架橋する。)

    サポート要件と実施可能要件との違い、明細書記載の課題はすべて解決されなければならないのか、記載要件と進歩性との両立 - 理系弁護士の日常
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