さまざまな細胞に変化できる人間の「新型万能細胞(iPS細胞)」について、文部科学省は2009年度、データベースの構築に着手する。 目的の細胞への変化のしやすさなど個々のiPS細胞の特性に関する情報を一元化することで、研究者が医薬品開発や病気のメカニズム解明などの研究に取り組みやすい環境を作り、iPS細胞の迅速な実用化を促す狙いがある。 文科省は25日午後に開く作業部会に報告し、iPS細胞研究の総合戦略に盛り込む方針だ。データベースには、iPS細胞を採取した人の性別、病気の症状のほか、遺伝子などの情報を明示する。当面は国内で作製された細胞を対象にするが、将来は海外で作られた細胞の情報も閲覧できるようにする考えだ。 人間のiPS細胞は、山中伸弥・京都大教授が07年に作製を発表し、08年には日本人十数人からの作製にも成功した。慶応大は人間の胎盤などから約200種の細胞を作る計画を進めている。