利用者数が低迷するJR日南線の存続を求め、沿線の宮崎県日南市が、10月に上場したJR九州株を購入した。 隣接する同県串間市も近く取得する方針。JR吉都線沿線にある同県小林市も購入を検討中だ。背景には、上場で経営合理化による不採算路線の廃止論が強まりかねないとの危機感がある。 日南線は1963年に開通し、南宮崎(宮崎市)―志布志(鹿児島県志布志市)駅間の88・9キロを結んでいる。日南市は10月、JR九州の3800株を988万円で購入。崎田恭平市長は「路線の維持を求める姿勢を示すため」としている。 同じく沿線の串間市も約3300株を取得する方針で、購入費1000万円を今年度の一般会計補正予算案に計上し、市議会の12月定例会に提案する。野辺修光市長は「日南線は通勤、通学など生活の足として不可欠。JRに存続を訴えていきたい」と強調する。