電子書籍を教科書として採用してくれた大学に、著者を講師として派遣する寄付講座を講談社が始める。大学側の負担は、講師の交通費程度。出版社にとって電子書籍の新しい活用法、販路拡大の可能性を探る試みだ。 教科書になるのは11月25日に同社から出版された「マクドナルドはなぜケータイで安売りを始めたのか?」。間もなく発売される同書の電子版購入が寄付講座の条件だ。講師は著者の吉本佳生さん(47)。元銀行マンで、大学でも金融経済論や生活経済学を教えた経験がある。講義では電子携帯端末のiPadやiPhoneを活用し、90分授業を計14回実施する。集中講義も可能という。 牛丼の値下げ競争や人気ゲームソフト廉価版、コンビニやレンタル店などの価格戦略といった同書の解説が講義の下敷き。そのため講義内容は「人気ゲームソフトを題材に考える価格の基本」「アイドルのオマケ商法を題材に考える価格戦略」などを予定している