動向レビュー 北米における冊子体資料の共同管理の動向 名古屋大学附属図書館:村西明日香(むらにし あすか) 大学図書館にとって、コレクションを管理することは重要な使命のひとつである。現在の教育・研究を支えるために新しい資料を受け入れ、さらにそれらを将来の利用のために保存するという責任を果たそうとするとき、図書館はスペースの問題に必ず直面する(1)。既存の資料を費用対効果が高く効率的な方法で所蔵し、かつ、新しい資料を所蔵するためのスペースを空け、さらに最近では、ラーニングコモンズのような学生のためのスペースを確保することも加わり、冊子体資料の管理は図書館員を悩ませる課題となっている。 こうしたスペース問題に対処するため、北米の大学図書館では主に次のような方法で、冊子体資料の管理に取り組んできた。 (1)各大学で独自に、キャンパス内外に新たな書庫を建設し、利用頻度の低い資料を移す。 (2)複数