あまり意味をなさない会見だなと思った。 昨季、私自身の初めての取材経験となったプロ野球新人選手選択会議(ドラフト)現場でのことだ。 ドラフト会議中、メディアの多くは控室でドラフトの様子を見守る。そして、一区切りつくと、監督の囲み取材に参加する。大まかに言って、1巡目指名選手確定後と監督が会場を去るときの二度、チーム付き広報の指示によって執り行われる。 しかし、各球団ほぼ同じタイミングで行なわれるこのプチ記者会見が、ほとんど意味をなしてない。なぜなら、その日に指名した選手についての感想を現場の責任者に聞いたところで、事情を分かっていないからだ。 1巡目指名の後の会見はまだいい。1巡目に関してはさすがにほとんどの監督が、スカウトが撮影した選手のビデオやリポートに一通り目を通しているからだが、すべての選手の総括となると、決まって指揮官の歯切れは悪くなる。 ドラフトの中心は、監督ではなくスカウト。
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