書店の閉店が止まらない。知名度のある大型書店の閉店のニュースが陸続とした。とはいえ、三省堂書店神保町本店や八重洲ブックセンターは、ビルの建て替えに伴う一時的な閉店だ。数年後の出版市場がどうなっているかわからないものの、再開を前提にした前向きな動きと言える。 大家である百貨店の営業終了に伴い撤退した書店もあった。外因的な理由からだ。他のチェーン店も、従来スクラップ・アンド・ビルドを繰り返してきた。そういう意味で、大手書店の閉店には、割り切りのようなものさえ感じられる。 より深刻なのは、街の書店だ。全国に名の知れた街の書店の閉店が続く。無書店自治体が2022年9月時点で26・2%に上るという調査も発表され、出版業界の内外で危機感が募っている。いくつかの閉店を例に、小規模書店の実情を考えてみたい。 鳥取市にある定有堂書店が3月31日に閉店すると伝わってきた。店主の奈良敏行さんの澄んだまなざしと、
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