ギャンブル依存症の患者は、リスクを取るべきか否かの状況判断がうまくできず、健常者と比べて脳の一部の働きに違いがあることを、京都大医学研究科の高橋英彦准教授や藤本淳研究員らのグループが突き止めた。ギャンブル依存症の新たな治療法の開発につながる成果で、英科学誌に4日発表した。 ギャンブル依存症は国内では成人の4・8%が患者であると推計(厚生労働省の委託研究)され、多額の借金や自殺の原因となり社会問題となっている。リスクを過剰に好む性格に起因すると一般的に考えられているが発症のメカニズムはよく分かっておらず、治療法も確立されていない。 グループは、ギャンブル依存症患者21人と健常者29人に対し、点数を獲得するゲームを20回繰り返して目標の点数を得る課題を与えた。各ゲームでは▽得点する可能性は低いが高い点が得られるハイリスクパターン▽得点する可能性は高いが低い点しか得られないローリスクパターン