■先生は休んでいない!「先生には夏休みがあって羨ましい」という声を、たびたび耳にする。先生は、おおよそ7月下旬から8月いっぱいまで、子どもと同様に「休んでいる」という理解である。 結論を先に言えば、先生は休んでいない。夏休み中の日々は、立派な勤務日だ。それどころか、平日でも残業をし、さらには土日に出勤することさえしばしばある。 はたして学校の先生は、夏休みに何をしているのか。世間の誤解を解くために、その実態に迫りたい。 ■先生の有給休暇取得状況夏休み中、教員はたしかに通常の授業がある期間よりは、時間にゆとりがある。有給休暇を取得することも珍しくない。 ただし、教員の年間の有給休暇取得日数は、けっして多くない。ややデータは古いが2006年に約40年ぶりにおこなわれた「教員勤務実態調査」によれば、小学校教員が11.4日、中学校教員は8.9日である【注1】。同じ2006年で比較をすると、民間8.