大学4年生の多くは、就職活動の真っただ中である。炎天下にリクルートスーツを着る彼らの望みは“内定”に他ならないが、同時に将来の職場が“ブラックだったら”という不安も抱いているはず。一方、採用側の企業は学生たちの評価に気を揉んでいるものの、“ホワイト企業”認定の申請に二の足を踏んでいるのはなぜか。 目下、企業が恐れている組織の1つに通称「かとく」がある。正式名称は、厚生労働省過重労働撲滅特別対策班だ。経済部記者の解説では、 「『かとく』は4月に発足したばかりの組織で、ベテランの労働基準監督官を東京に7人、大阪に6人配置しています。目的は、社員に過重労働などを強いるブラック企業の摘発。その一方で、厚労省は“ホワイト企業”の認定制度をスタートさせました」 厚労省が6月に新設したのは「安全衛生優良企業公表制度」。規定のチェック項目を8割クリアして書類を申請後、厚労省の審査を経て“ホワイト企業