ジュリップ・エイエスエイ・アル容疑者が悪用したのは平成13年に始まった国民健康保険の海外療養費支給制度で、健康保険加入者に対し海外で治療を受けた場合にも総額から自己負担の原則3割分を除いた額が支給される。治療を受けたことを示す書類が整っていることが支給の判断基準のため、ジュリップ容疑者は偽造診断書で審査の目をすり抜けていた。 ジュリップ容疑者はバングラデシュに住む知人の病院関係者から診断書の作成方法などを教えられ、病院の印鑑も偽造。治療を受けた病院の連絡先の欄には家族の電話番号を記入し、日本からの問い合わせ電話があった場合には病院を装って応対していたという。 詐欺容疑で逮捕された犯行グループのメンバーは警視庁の調べに対して、「日本は簡単にカネをくれる」と供述。なかには妻と2人の子供の病気も偽装し約200万円を受給した男もいたという。 厚生労働省によると、海外療養費の利用実績は統計の残る19