サプライチェーン・マネジメント(SCM)システムは、企業にとって“生命線”とも言えるシステムだ。システムが停止したり重要情報が漏洩したりすれば、事業の継続さえ危ぶまれることになるため、外部のベンダーにその管理をゆだねるのは非常にリスクが高すぎると考えられてきた。だが、最近はそのSCMシステムにおいても、SaaS(Software as a Service)を採用する動きが広がっている。本稿では、オンデマンド型SCMソフトウェアを導入した2社の事例を参考に、導入にあたって注意すべきポイントを整理してみたい。 メリディス・レビンソン ● text by Meridith Levinson オンデマンド型SCMソフトウェアの導入は“最後の選択肢!?” 今から4年前、川崎重工業の子会社である米カワサキ・モータースは、一部のディーラーから強い不満を買っていた。オートバイやATV(四輪バギー)、水上バ