11月1日、福島県南相馬市へ行ってきた。 福島市の東、太平洋沿岸にあり、いわき市と宮城県仙台市の中間に位置する、 人口およそ7万人の市である。 東日本大震災が発生したとき、市長の桜井さんは記者会見の最中だった。 震度6弱の揺れに襲われた。 南相馬市の市庁舎からは海が見える。 地震発生後、この海には、高さ30メートルもあろうかと思われる、 茶色の壁ができていたそうだ。津波である。 飲み込まれた家屋のがれきや土砂などで、海水が濁って茶色に見えたのだ。 この津波は海岸線から約2キロ付近までの地域を呑み込み、壊滅させた。 南相馬市の死者・行方不明者は、646人にのぼった。 僕は、東北新幹線で福島市まで行き、福島市から車で東へ向かった。 その後、南下して飯舘村をとおり、南相馬市に入った。 途中、車窓から見た飯舘村には、異様な雰囲気が漂っていた。 スーパーやコンビニにも人の気配はない。街中に住民の姿が