東京・墨田区で建設中の東京スカイツリーの最寄り駅、東武鉄道の業平橋(なりひらばし)駅が、ツリー開業の来年春、「とうきょうスカイツリー駅」に改称される。 平安時代の歌人、在原業平(825〜880)にちなんだ駅名の変更だけに、地元住民からは複雑な思いが聞かれる。 同駅は東武伊勢崎線が北千住(足立区)から都心方向に延伸された1902年に「吾妻橋駅」として開業。10年に「浅草駅」と改称された後、再延伸に伴って浅草雷門駅(現・浅草駅)が開業した31年、「業平」がついた当時の地名や、近くにあった都電停車場の名称から「業平橋駅」となった。 そもそも、なぜ古都から遠く離れた東京の下町に「業平」の名があるのか。伊勢物語の主人公とされる業平が東国を旅した際、隅田川で「名にし負はば いざ言問はむ都鳥 わが思ふ人はありやなしやと」と詠んだという逸話が由来だ。墨田区吾妻橋3にあった寺院に「業平塚」が設けられ、業平天