『T2 トレインスポッティング』(T2 Trainspotting/2017) 前作は若さの祝福だった。本作は大人になるということ。またいかに僕たちはそれに対処するのが下手か、についての映画だ。そして子供がいるということ、いないこと。もしくは父親たちに失望させられる子供たちの物語だ。 日本でも2017年4月8日に劇場公開された『T2 トレインスポッティング』は、ある世代のための映画のように思える。それは20代の多くを1990年代に過ごし、30代をゼロ年代、そして10年代は40代として生きている世代。 1993年に出版されたアーヴィン・ウェルシュの小説『トレインスポッティング』がダニー・ボイル監督によって映画化されたのは1996年。当時のイギリスはブリット・ポップやクラブ・カルチャーの全盛期。この映画も大ヒットした。 日本(とりわけ東京)では渋谷のミニシアターの記録を塗り替え、渋谷系な人々を