地球の大気の最大の特徴は,気相・液相・固相間の水の相変化が,大気の流れと密接に結びついて起こっていることである。地球温暖化などの気候変動を考える際には,大気の大循環がこの水の相変化に大きな影響を受けていることを念頭におき,地球規模の水循環の変動にともなうフィードバック過程を適切に考慮することが必要である。気候の分布とその変動を支配する水循環のプロセスには,極域の氷,雲による放射の反射・吸収・放出など様々なものがあるが,熱帯域での背の高い雲とそれに伴う流れ(積雲対流)というのも,その重要な一つとして数えられる。気候変動の研究に用いられる大気大循環モデル(GCM)においては,この積雲対流をどのように表現するか(パラメタリゼーション)が大きな問題となっている。数多くの方法が提唱されているが,モデルの結果はその選択に大きく依存し,どの方式が最良であるかはわかっていない。その原因としては,グローバル
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