地質の特徴とその形成過程 海底地すべりとは、海底斜面に貯まった堆積物が地震などを引き金として斜面をすべり落ちる現象です。ここで紹介する露頭は、房総半島南部の農道工事によって出現した大規模海底地すべりを示す地層です。 当地域の地層は第三紀鮮新世から第四紀更新世(およそ400~100万年前)に堆積した千倉層群・畑層の砂岩泥岩です。研究者の観察によれば、この地層は海溝斜面に貯まっていた堆積物が、大地震によって液状化し海底地すべりを起こして堆積したものと考えられています。地層の状況から、地すべりの規模が大きく巨大な津波を引き起こしたものと推定されています。全景写真や形成過程のイメージからは、半固結状態であった地層が地すべりによって分断・回転し、破片となり、全体として混沌とした乱堆積層となっている様子が分かります。 この露頭は地震による海底地すべりの堆積機構を観察できる非常に貴重なものです。 農業農