影の装置すげぇ
1900年冬、夏目漱石はロンドンに留学します。ところが方向音痴気味だった漱石は、なかなか土地勘がつかめず、いつも道に迷っていました。たとえば『倫敦塔』には、地図を片手に迷子状態の自分の様子をこう書いています。 《余はやむを得ないから四ツ角へ出るたびに地図を披(ひら)いて通行人 に押し返されながら足の向く方角を定める。地図で知れぬ時は人に聞く、人に聞いて知れぬ時は巡査を探す、巡査でゆかぬ時はまたほかの人に尋ねる、何人でも合点(がてん)の行く人に出逢うまでは捕えては聞き呼び掛けては聞く。かくしてようやくわが指定の地に至るのである》 慣れないと、地図って意外とわかりにくいんですよね。 では、どうしたらもっとわかりやすくなるだろう。そうか、上から見ればいいんじゃない?……こうして鳥瞰図が成立したわけですが、実は、ただ上から見てるからわかりやすいわけではありません。 普通の平面図がどうしてわかりにく
2013年01月08日03:27 カテゴリ読んだ本 見慣れたものが突如、知恵熱の火薬庫になる「ランドスケールブック」がすごすぎるTweet 時間は消えていくものだとしても、場所はいつでもそこにあります。場所が時間の埋めあわせをしてくれます。たとえば、庭は、過去はもはや重荷ではないという感情を呼び覚ましてくれます。 スーザン・ソンタグ「若い読者へのアドバイス」(『良心の領界』序文) ついに石川さんの単著が出た。ぼくのこのブログに興味を持ってくれている方なら、間違いなく知恵熱が出る本なので、読んでいない人は今すぐ読むべき。 石川初 | ランドスケール・ブック ― 地上へのまなざし (現代建築家コンセプト・シリーズ) LIXIL出版 ■この本のせいでだれでも「盗める」ようになった この本に書かれていることを元にすれば、今後数年はネタに困らないだろう。いしたにさんが「出し惜しみのなさっぷりがひどカ
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