安倍晋三政権は、集団的自衛権の行使を認めた戦争法案の「合憲性」を主張するため、1972年の政府見解を持ち出しています。しかし、この政府見解は、集団的自衛権の行使は憲法上許されないと断じたものです。集団的自衛権の行使を違憲と結論付けた見解がなぜ、「合憲」の根拠になるのか―。その理屈を見ると、見識を持ったまともな政府であればおよそあり得ない、極めて強引なねじ曲げが行われていることが明瞭です。 極めて無理なこじつけ 焦点になっている政府見解は、72年10月に内閣法制局が参院決算委員会に提出しました。集団的自衛権の行使が憲法上許されないとする政府の立場がどのような考え方に基づいているのかについて説明した文書です。 その考え方は、(1)憲法9条は戦争を放棄し、戦力の保持を禁止しているが、「自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛の措置」を禁じてはいない(2)しかし、この自衛の措置は
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