自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件で、〝重鎮〟への対応に注目が集まっている。岸田文雄首相(党総裁)が、森喜朗元首相への聴取を検討すると表明したのだ。森氏は、安倍派(清和政策研究会)の前身である森派を率い、キックバック(還流)や政治資金収支報告書への不記載(裏金化)の経緯を知る可能性が指摘されている。国民の政治不信が高まるなか、全容解明への扉は開けるのか。 「来週の政治倫理審査会の弁明も踏まえ、党としてさらなる関係者の聴取を行うか判断していく」「関係者の中に森氏も入ると認識している」
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インターネット通販の安値攻勢を受けてきた家電量販店に、巻き返しの好機が訪れている。パナソニックや日立製作所が一部の商品で、小売価格を指定する代わりに売れ残りの返品に応じる「指定価格制度」導入を進めており、ネットと店舗で価格差がなくなるためだ。量販店は専門知識を持つ店員を増やし、ネット通販から顧客を奪い返そうと躍起だ。 神奈川県地盤の家電量販ノジマは、家電の省エネ性能に関する社内資格の取得を社員に促している。ノジママークイズみなとみらい店(横浜市)では、販売員の中村凪沙さん(25)が洗濯機の消費電力から年間電気代を算出し、来店客に「価格が少し高い製品でも電気代を考えるとお得です」と薦めていた。 ノジマの広報担当者は「当社にとってチャンスだ。価格が同じなら専門知識を提案できるため顧客の満足度が高くなる」と話す。販売員は客との会話の中で、家族構成や使用頻度を聞き、最も合った商品を提案する。 ビッ
ドナルド・トランプ前米大統領(77)が、「大統領返り咲き」へさらに一歩踏み出した。共和党候補指名争いで、トランプ氏と争っていたニッキー・ヘイリー元国連大使(52)が6日、選挙戦からの撤退を表明し、指名争いレースが決着したのだ。11月の本選では、民主党の現職、ジョー・バイデン大統領(81)と再び対決する構図が固まったが、資金面でバイデン氏の後れを取る。多額の訴訟費用もトランプ氏の重荷となっている。 15州の予備選などが集中した5日の「スーパーチューズデー」で、トランプ氏は14州を制し、翌6日にヘイリー氏が撤退を表明した。 指名争いの天王山を制したトランプ氏は意気軒高だ。5日夜、南部フロリダ州パームビーチの自邸マールアラーゴで行った演説で「世論調査の数字はバイデンよりもずっと高い」と本選勝利への自信をアピール。6日には、バイデン氏との討論会を要求し、「いつでも、どこでもいい」と表明した。
女性が女性の権利獲得のために闘う運動、ウーマンリブ(女性解放運動)である。この年10月、「ぐるーぷ・闘うおんな」と「女性解放運動準備会」が東京・銀座で旗揚げされた。テアトル銀座裏の水谷公園で集会を開き、土橋までの渦巻きデモが行われた。集会には「報道関係者も男は立ち入り禁止」の立て看板が掲げられていた。これを契機に運動は続き、1970年代を象徴するような一大ムーブメントとなった。 当時の私は8歳。自分の母親とはなんだか雰囲気の違うお姉さんたちのシュプレヒコールに、目をまんまるくしていたような記憶がある。 この年の主な出来事は、「第3次佐藤栄作内閣成立」「厚生省、LSDを麻薬に指定」「日本万国博覧会EXPO’70開催」「赤軍派学生9人、日航機『よど号』をハイジャック」「東京・銀座などで、『歩行者天国』がスタート」「政府、初の『防衛白書』発表」「作家の三島由紀夫、東京・市ケ谷の陸上自衛隊東部方面
2023年漫才協会会長に就任したナイツ・塙宣之の初監督作品となる映画「漫才協会 THE MOVIE 舞台の上の懲りない面々」(公開中)。タイトルからして、安部譲二の自伝的小説のパクリで、人を食った〝ヤホー漫才〟そのものだが、中身は至ってマジメ。「ザ・ノンフィクション」を5本分詰め込んだくらいの濃さで、芸人たちの人間ドラマに迫っている。 撮影時で、124組、215人が所属する漫才協会の芸人たちには、知られざるレジェンド芸人から、塙会長が直談判して引き入れた若者・中堅までじつにバラエティー豊か。「西の吉本」が全国区になった今、東京漫才の危機感に立ち上がってきた塙会長の行動力、破壊力がカメラを通して明かされてゆく。 「水曜日のダウンタウン」(TBS)で、歴史的和解を果たした「おぼん・こぼん仲直り企画」ではナイツのアシストが光って大きな反響を呼んだ。その大御所おぼん・こぼんですら、「最近は、会った
断髪式で宮城野親方(手前)のマゲにはさみを入れる照ノ富士。両者の地位は逆転しつつある=2023年1月、東京・両国国技館 弟子の不祥事で事実上の「師匠失格」となった宮城野親方(38)=元横綱白鵬=の失脚が大相撲の勢力図を激変させる。伊勢ケ浜一門は26日、宮城野部屋に送り込む師匠代行を大島部屋所属の玉垣親方(59)=元小結智乃花=に一本化。一門総帥の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)は来夏に定年を迎えるが、弟子の横綱照ノ富士(32)が将来的な後継者として、モンゴル勢の中で一気に存在感を増しそうだ。 師匠代行として宮城野部屋を見ることになった玉垣親方宮城野親方は23日の日本相撲協会臨時理事会で、弟子の北青鵬(22)が日常的に後輩力士に暴力を振るっていたことへの監督責任と、協会への報告を怠ったことが問題視され、「委員」から「年寄」へ2階級降格、3カ月の20%報酬減額処分を受けた。
自民党は13日、派閥のパーティー収入不記載事件を受けて実施した全所属国会議員アンケートの結果を公表した。現職と選挙区支部長の計384人が対象で、政治資金収支報告書への不記載があったのは85人、総額約5億7949万円だった。「裏金」体質への不信感が高まるなか、立憲民主党と日本維新の会、共産党、国民民主党の野党4党は、衆院政治倫理審査会(政倫審)の開催を要求した。これに対し、岸田文雄首相は、安倍派幹部「5人衆」らの出席を想定して、政倫審実施に応じる意向を固めたようだ。フジテレビ上席解説委員、平井文夫氏は、高揚感に包まれた岸田首相による、次期衆院選の「4月28日投開票」説を明かした。 ◇ どうやら自信を持っている先週国会では衆院の予算委員会が行われ、野党が言う「裏金国会」が本格的に始まったのだが、岸田首相が「はつらつと」答弁しているのに驚いた。もっとボロボロになるのかと思っていたのに。 国会では
「岸田派に続いて二階派、そして安倍派まで解散を決定するに至り、今まで岸田政権の下で派閥政治の恩恵を思いのまま享受してきた麻生太郎副総裁と茂木敏充幹事長は、真っ青といったところだろう。それにしても岸田文雄首相は、随分としたたかな人物だ。これほどまでに思い切ったことをやる人とは、思わなかった」 自民党の有力国会議員がこう言う。 先週18日、岸田首相は、突如として自身が率いてきた岸田派を解散する方針であることを表明した。 そしてこの流れを受けて、自民党内最大派閥の安倍派、さらには二階派も解散することを決定したのである。 岸田首相が、前述したようなかなり思い切った決断をするキッカケとなったとされるのが、今月16日に全ての自民党所属議員を参加可能とした「政治刷新本部」が開いた会合だった。 その席上、完全無派閥の石川昭政議員が、裏金問題の原因は派閥にあるとした上で、岸田本部長(首相)にこう迫ったのであ
この原稿は12日(金)、台湾総統選取材のため台北へ向かう機中で書いています。締め切りの関係で総統選については来週、稿を改めて記そうと思います。 先週、拙欄を書き上げた後、私は石川県へ向かいました。能登半島地震の被災地を取材するためです。能登へ向かう道は七尾市を過ぎると東岸の国道249号一本となります。道路は至る所で地割れし、土砂崩れ現場では片側一車線の相互通行。地割れに落ち込んだ車や、亀裂でパンクして打ち捨てられた車も散見され、当然大渋滞です。普段の2~3倍の時間をかけ、ようやく半島最東端の珠洲市に到着しました。 発災当初、珠洲市は通信や交通が途絶し、情報が入らなくなっていました。5日後に私が入ったときも、多くの方々が「水やガソリンが足らない」と訴えていました。 そんな中でも、前を向いて仲間を鼓舞する人が必ずいます。かつて私が取材した北海道胆振東部地震や熊本地震の現場でも、明るく笑い合いな
契約更改が越年となっていた楽天・田中将大投手(35)が21日、野球協約の減額制限(1億円超は40%)を超える約45%減の年俸2億6000万円プラス出来高払いで単年契約。日米通算200勝まであと「3」と迫るが、あと「4」の米大リーグ・ダルビッシュ有投手(37)とは近年のコントラストが鮮明だ。 田中将は仙台市内の球団事務所で契約更改後に会見。昨季は7勝11敗で防御率4・91に終わり、期待された200勝に届かず「たくさんの方からの期待は感じている。一試合一試合、一球一球、ベストを尽くして到達できるようにしたい」。昨秋にクリーニング手術を受けた右肘の経過は順調といい、「開幕を目指しながらやっていく。しっかりと状態が戻った時にどうなるのかという楽しみはある」と話した。
昨年の日本経済を振り返ってみれば、1つのテーマにインフレが挙げられるだろう。これまで長くデフレ経済に苦しみ、日銀もデフレ脱却を掲げて異次元の金融緩和を継続していたことを考えれば、いよいよ日本経済も大きな転換点を迎えたかのように感じられる。 しかし、経済にそれほど興味や関心がない方からは、デフレ脱却を目指していたのに、いざインフレになったら生活が苦しくなったため、『これなら物価が下がるデフレの方がよかったではないか』という意見も散見された。 私はここ数年、インフレには大きく分けて2つの種類があると主張し続けてきた。1つは需要が物価を押し上げる「ディマンドプル型」で、もう1つはコストが物価を押し上げる「コストプッシュ型」だ。言うまでもなく、昨年日本で生じたのは後者のインフレで、これを「悪いインフレ」と表現することもある。 厚労省の毎月勤労統計調査によれば、実質賃金は20カ月連続でマイナスとなっ
復興支援プロジェクト「能登応援落語会・チャリ亭」の記者会見に出席した左から柳亭小燕枝、春風亭柳枝、柳亭小痴楽 能登半島地震の復興支援プロジェクト「能登応援落語会・チャリ亭」を落語家の春風亭柳枝(42)が中心となり、柳亭小痴楽(35)、柳亭小燕枝(39)と立ち上げた。 企画の発案者で発起人でもある柳枝。「居てもたってもいられなかった。東日本大震災では、自分からあまり動けなかったので、小さなことからでもいいからすぐにでも腰を上げたかった」と思いを明かす。 呼びかけに「笑点」メンバーの春風亭一之輔(45)=落語協会=や桂宮治(47)=落語芸術協会、三遊亭兼好(54)=五代目円楽一門会、立川小春志(41)=立川流=らが団体の垣根を越えてノーギャラ出演することに。「大御所から若手まで多くの方が即答で手をあげてくださいました」と柳枝。 20日の東京・神保町の「らくごカフェ」に始まり、「赤坂会館」「ばば
ニューヨーク・ヤンキースはかつて「悪の帝国」と呼ばれた。これは1981年に米国大統領に就任したロナルド・レーガン氏がソビエト連邦を揶揄して用いた有名なフレーズである。レーガン大統領は米国とソ連の対立を「善と悪の戦い」だと表現した。演説の中で度々、ソ連に対し強硬な姿勢を取ることを主張し、そうしなければ善悪の戦いを放棄することになる、と警告した。 このフレーズがヤンキースに用いられたのは、今から約20年前の2002年、キューバ出身のホセ・コントレラス投手の争奪戦でのこと。4年総額3200万ドルという大金を積んで彼をさらっていったニューヨーク・ヤンキースに対し、ボストン・レッドソックスのラリー・ルッキーノ球団社長は怒りを抑えきれない様子でこう言った。 「悪の帝国がラテンアメリカにまで触手を延ばしてきた」 皮肉にも当時ヤンキースは、のちに2009年ワールドシリーズ優勝に貢献する日本のスター、松井秀
自民党派閥のパーティー券収入不記載事件で、東京地検特捜部が、安倍派(清和政策研究会)の「5人衆」や事務総長経験者ら幹部の立件を見送る方針を固めたとみられる。全国からエース級検事らの応援を集めた大規模捜査がこれで終わりなら〝尻すぼみ〟の感もぬぐえない。だが、元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士は、特捜部が狙う「別の本丸」があるとの見方を示す。 若狭勝弁護士特捜部は、パーティー券収入から多額の還流(キックバック)を受けていた池田佳隆衆院議員(比例東海、党から除名)らを政治資金規正法違反容疑で逮捕した。同じく還流額が多い大野泰正参院議員(岐阜選挙区)と谷川弥一衆院議員(長崎3区)、さらに安倍派と二階派(志帥会)の会計責任者も同法違反容疑で立件する見通しだ。 一方で安倍派の「5人衆」や事務総長経験者、会長代理ら7人の幹部については、会計責任者との共謀は認められないとし、不起訴の方針も浮上している。
17日発行の紙面から、新連載「森永康平の経済闘論」(毎週水曜)がスタートします。 森永康平さんは1985年生まれの38歳で、運用会社や証券会社で日本の中小型株のアナリストや新興国市場のストラテジストを担当していました。その後、金融教育ベンチャー「マネネ」を創業し、CEOを務めています。 著書に『スタグフレーションの時代』(宝島社新書)のほか、父、森永卓郎さんとの共著『親子ゼニ問答』(角川新書)があります。 経済アナリストとしてテレビやラジオに出演するほか、ユーチューブやX(旧ツイッター)などでの情報発信にも積極的です。プロ野球横浜DeNAベイスターズの熱狂的なファンとしても知られています。 また、アマチュアでキックボクシングや総合格闘技の試合に出場する猛者でもあり、今月8日にも総合の試合に出場したばかりです。
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