打ち出し口から銀色のボールを射出し、やがてそれはキノコ型のバンパーに跳ね返り、フィールドを縦横無尽に目まぐるしく駆けめぐる……。プレイヤーはそのボールを落とさぬよう左右のフリッパーを巧みに操り、ときには台を揺らす。 たとえばファミリーコンピューターで『スーパーマリオブラザーズ』を遊んでいた場合、穴に落ちそうになったマリオに対してコントローラーや画面を動かしたところで何ひとつ変化は起きない。しかしピンボールは「TILT」という罰則が下りない限りは台を左右へ小刻みに、もしくは手前から奥へ突くように揺らし、ボールを落下させないこともテクニックのひとつとして認められている。 定められたルールとフィーチャーをひとつずつ理解することはスコアを飛躍的に伸ばすための原則だが、フィールドにボールが3球現れる「マルチボール」に突入したときは脳内のドーパミンが一気に止めどなく溢れ、さながら「ピンボール・ハイ」に