名古屋大学は、透明な生体材料である角膜の構造を模倣することで、光学的には無色透明で、力学的には高靭性な複合エラストマーを開発した。今後、高度先進医療やウェアラブルディスプレイ、ソフトロボットなどの分野への応用が期待される。 名古屋大学は2020年2月28日、透明な生体材料である角膜の構造を模倣することで、光学的には無色透明で、力学的には高靭性な複合エラストマーを開発したと発表した。同大学大学院工学研究科 准教授の竹岡敬和氏らと、理化学研究所、ユニチカなどの共同研究による成果となる。 研究グループは、硬い材料と柔らかな材料が集合化し、光学的透明性と力学的高靭性を兼ね備えた角膜に着目。角膜を参考に、柔らかな架橋高分子中に直径約100nmの球状の硬いシリカ微粒子を高濃度で分散させ、シリカ微粒子が秩序のある状態で分散した複合エラストマーを作製した。
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