東日本大震災発生後、4月、ユニセフの「ちっちゃな図書館」プロジェクトを通じて、被災地の子どもたちへ全国から多くの本が贈られた。今改めて読書の意義を考えたい。キャンパるでは、大学図書館の司書に「今、大学生に読んでほしい本」を聞いた。選者の視点は、日ごろから私たち大学生と接している本の専門家ならではのもの。今、私たちに求められているものが見えてくるようだ。【まとめ、お茶の水女子大・岡田真木子、イラストは明治大・湯木遥子】 ◇駒沢大・井形さん 北方氏の「水滸伝」原典親しむ機会に ■駒沢大学図書館・井形恵美子さん 「水滸伝」(全19巻)北方謙三(集英社、2000~2005年) 梅雨空が続くこの時期、普段は敬遠しがちな大著、北方謙三著「水滸伝」(全19巻)を読んでみるのはいかがだろうか。 水滸伝といえば明代に書かれた中国四大奇書の一つであり、今日まで読み継がれている古典である。江戸後期にはその影響を