第2回舟橋聖一文学賞を受賞した荒山徹「柳生大戦争」が文庫化されました。 本作については、既に連載中にこのブログで取り上げており、単なる文庫化であれば改めて取り上げることはないと思っていたのですが…いやはや巻末に大変な爆弾が仕掛けられていたとは。 その爆弾とは、巻末に付された文庫版あとがきと、書き下ろしの掌編であります。 愛読者であればよくご存じかと思いますが、荒山徹は自作について語ることが極めて少ない作家。 これまで結構な数の作品をものしている中で、あとがきが付された作品は数えるほどしかありません。 そのあとがきが、しかも文庫のために新たに付されたとあれば、これは見逃せないものですが―― 豈図らんや、それが柳生十兵衛との決別、柳生サーガの終結宣言だったとは! わずか2ページゆえ、詳しい内容はぜひ原文に当たっていただきたいのですが、作者の柳生もの第一作である「十兵衛両断」から始まり、この「柳