発覚から2年以上が経過し、捜査が暗礁に乗り上げていたなか、中国当局は容疑者逮捕を電撃的に発表し、事態が一気に動き出した。この時期に中国が行動を起こした背景には、鳩山首相に早期の訪中を求めたい胡錦濤政権の対日配慮がうかがえる。 この事件をめぐっては、昨年、中国側が捜査の中間報告を公表して日本国民の対中感情の改善を図ろうとした。だが、中国国内に毒物混入を公式に認めることへの抵抗が強く、見送られた。最近は、日本側が、製造元「天洋食品」の工場移転の話が浮上していることについて確認を求めても、中国外務省から回答がない日々が続いた。 捜査打ち切りが取りざたされた今のタイミングでの発表について、関係筋は「国家の威信をかける上海万博の開幕に合わせて鳩山首相を訪中させたいという胡政権の強い意思が働いた」と言い切る。 日本側には、もともと6月の上海万博ジャパンデーに訪中したいとの意向があったが、中国側は「ジャ