ヒマラヤ山脈にある「ブータン」の奥地で、NHKの取材班が世界で初めてテレビカメラで姿を捉えた幻のチョウ、「ブータンシボリアゲハ」。 いったいどんなチョウなのか。 現地で取材した科学文化部の斎藤基樹記者がお伝えします。 世界初 カメラがとらえた“幻のチョウ” [画像をクリックすると動画が再生されます] このチョウ、「ブータンシボリアゲハ」は、大人の手のひらほどの大きさがあり、羽に鮮やかな深紅の模様と3つの尾を持つのが特徴です。 78年前の1933年に、ヒマラヤ山脈にあるブータン東部の谷で発見され、その年と翌年に採集された5匹の標本がイギリスの大英自然史博物館に保管されているだけで、その後、一切の報告がありません。 これほど目立つチョウで正体の分からないものは、ほかに例がなく、世界の研究者の間では「幻のチョウ」と呼ばれてきました。 チョウ研究の世界的権威で、大英自然史博物館の元昆虫研