フランス語圏の漫画、バンドデシネ(BD)と日本の漫画の違いとは何か。フランスの漫画家、マルク=アントワーヌ・マチューさん(52)の新作『3秒』(河出書房新社)は、そんな疑問に一つの答えを示すような作品だ。何度も読み返し、読者が物語を組み立てていく推理性にあふれ、大胆な場面転換の手法をとる。リーダビリティー(読みやすさ)に優れた日本の漫画とは対照的で、読み手の知的好奇心を駆り立てる。(森本昌彦)ゲーム感覚で 『3秒』は、サッカー界で起こったスキャンダルを軸に、ビルや飛行機、街頭で起こった3秒間の出来事を描いた。「常に物語の語り方について新しい方法を使うようにしている」と過去の作品から一転し、セリフが一切ないまま物語が進む。スキャンダルとは何か、陰謀の首謀者は誰なのか-という謎を、読者自身が探らなければならない。 「ゲームをするように楽しんでほしい」。絵にさまざまなヒントがちりばめられ、それを
単行本 B4変形 ● 72ページ ISBN:978-4-309-27308-2 ● Cコード:0079 発売日:2012.02.28 この本の内容 永遠の、3秒間――そこで何が始まり、何が終わったか。サッカー界にうずまくある事件の調査をめぐる短くも濃密な物語。細部を見れば見るほど謎が深まる衝撃の傑作! BD界話題の書。 3秒──それは光が90万kmを走破する時間であり、銃弾が1kmを駆け抜ける時間。呼吸をするのに必要な時間。涙が零れ落ち、爆発物が爆破し、SMSが送受信される時間。 3秒──それは登場人物と手がかりが奇妙にも錯綜する沈黙の謎。飛行機と銃を構えた人物たちとスタジアムの間にどのような関係があるのだろうか? このパズルを解くのは読者である。 3秒──これは本の形式だけでなくデジタル・ヴァージョンでも読むことができる物語だ。ズームを多用しためくるめくグラフィックで、時空をめぐるさまざ
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く