アルベルト・ザッケローニ。その力量を疑いたくなる一番の理由は、3−4−3を完成できずにいることだ。弱小ウディネーゼをセリエA上位に押し上げたその武器を、日本代表には落とし込めずにいる。 画像つきの記事はこちら> ザッケローニが3−4−3を最初に用いたのは2011年6月に行なわれたキリンカップ、ペルー戦、チェコ戦になる。しかし選手は、笛吹けども踊らず、だった。消化不良を起こし、見るも無残な姿を露呈した。 「攻撃的サッカーをする布陣だ」とザッケローニは言った。ウディネーゼ時代のサッカーは確かに攻撃的で、新鮮でオリジナリティに富んでいた。彼の名声はそれによって高まった。 ザッケローニの代名詞とも言えるこの布陣は、中盤の4人がフラットに並ぶ4−4−2の進化形だ。当時イタリアは、プレッシングサッカー全盛の時代で、4−4−2はその定番スタイルで通っていた。ザッケローニもプレッシング系のサッカーを