高橋瑞(左)/当時、医者になるための試験(医術開業試験)は男性しか受けることができず、受験のために通わなければならない医学校は、いずれも「女人禁制」だった 近代の女性医師が誕生して135年ーー医療現場では多くの女性たちが活躍している。近年、東京医科大学や聖マリアンナ医科大学等による、女性に不利になる点数操作が問題となったものの、現在のように女性たちが医学を学べるようになるまでには、何人もの先人たちの尽力があった。その一人に、明治時代の医師・高橋瑞(たかはし・みず)がいる。医学校が「女人禁制」だった時代、直談判で道を切り開き、「男装の女医」として貧困層の女性たちに手を差し伸べた高橋瑞の生涯とは? 残された史料をもとに著書『明治を生きた男装の女医 高橋瑞物語』を書いた田中ひかるさんによると、彼女の遺骨にはある特徴が見られたそうでーー 「男装の女医」高橋瑞の痛快な人生 高橋瑞(1852〈嘉永5〉