多くの方が、直感で式①を選ぶだろう。正解だ。 式①の[オイラーの等式]が、世界で一番美しいとされる。ちなみに、式②の[ラマヌジャンの無限級数]は、最も醜いとされる数式だという。 最も美しい数式を探す実験は、認知科学者のセミール・ゼキが行った。 まずゼキは、fMRI装置を用いて、美しいと感じている人の脳の活性化している部位を特定した。美しい絵画を鑑賞する人の脳のうち、眼窩前頭皮質が活性化するという(*1) 。眼窩前頭皮質は、ちょうど眼球のソケットにあたる箇所に接している部分になる。 次にゼキは、数学者の協力を得て、多くの数式の中から、最も美しいと感じるものを選んでもらい、そのときの眼窩前頭皮質の状態を測定した。予想通り、美しい数式を見るとき、この部分の活性化が認められたという(*2)。数学的な美しさは、シンプルさなのかと考えると、興味深い。 問題:次の①と②のうち、どちらが美しいと評価される