「新しく魅力的なワークスタイル」としてノマドが注目されてからずいぶんたちますが、そんななか、『自由な働き方をつくる 「食えるノマド」の仕事術』(常見陽平著、日本実業出版社)のスタンスにはとても納得できるものがあります。理由は、地に足がついているから。「ノマドが理想的な働き方であるような幻想に惑わされている人は少なくないが、現実はそう甘いものではない」という、明確な立場を貫いているのです。 それは、「ノマドがメディアで話題になった際に強烈な違和感を感じたため批判派の先頭に立ったものの、やがて自分自身がノマドだという矛盾に直面した」という著者自身の体験によって培われたものかもしれません。そしてそのような視点に基づいて書かれた本書には、ノマドであるか否か以前に、「働く」ということの本質が記されているようにも思えました。その一例として、第4章「自由な働き方のヒント[基本スキル編]」から、「人脈を構