【前回記事はこちら】 『あの名作マンガはなぜ買えない? 創作者に“ものすごい”力を許す著作権の常識』 前回記事では、少女マンガ『キャンディ・キャンディ』にまつわる事件(「キャンディキャンディ事件」)やボーカロイド「初音ミク」などを通じて、創作者が保有する著作権の強さについて紹介させていただきました。 前回の繰り返しになりますが、いわゆる「キャンディキャンディ事件」とは、以下のようなものです。 ・作画者のいがらしゆみこさん(以下、マンガ家のいがらしさん)が、原作で原案者の水木杏子さん(以下、原作者の水木さん)の許諾を得ることなく、キャンディキャンディの主人公・キャンディのキャラクターでビジネス始めたことに端を発する事件で、このビジネスに対して、原作者の水木さんが、二次的著作物の著作権侵害の訴訟を起こした。 ・キャンディキャンディのストーリーが、水木さん原作、いがらしさん作画による著作物である