なかなか内定がとれずに消沈する二人の学生が見た「当社は採用の多い企業ですからどうかそこはご承知ください」という文言。この企業はどんな企業なのだろうか? 本文 二人の若い大学生が、いっぱしのサラリーマンのかたちをして、ぴかぴかするアンドロイドのスマートフォンを持って、都心からは少し離れた、低中層のオフィスビルがぽつぽつとあるエリアを、こんなことをいいながら、あるいておりました。 「ぜんたい、ここらの企業はけしからんね。ろくに求人もしていやがらん。なんでも構わないから、早くトントンと、面接をすすめていきたいもんだなあ。」 「グループ討論で、アホウなFランクの学生のバカなセリフなんぞを、ちょっと気の利いたセリフで論破したら、ずいぶん痛快だろうねえ。顔を真っ赤にして、しどろもどろになって、それからどたっと倒れるだろうねえ。」 二人がそれぞれ持っていたスマートフォンが、二つともいっしょにフリーズを起