タグ

ブックマーク / jbpress.ismedia.jp (180)

  • 中国経済:激変する出稼ぎ事情

    (英エコノミスト誌 2012年2月25日号) 沿岸部に出稼ぎに行った30年間を経て、内陸部の人は今、徐々に郷里に近い場所で働くようになっている。 「働くため、家族の面倒を見るために故郷に帰ろう」。中国土の真ん中にある福興という山腹の町の目抜き通りには、こんな赤い横断幕が掲げられている。 最近まで、福興周辺の村の農民はひたすら、カボチャ畑から逃れ、1000キロ以上離れた沿岸部の工場で高い給料をもらうことを夢見ていた。地元の役人は喜んで村民を送り出した。ところが今、役人は彼らを引きとめるのに必死になっている。 福興が位置する金堂県はかつて、四川省の県の中で最大の労働者輸出拠点という怪しげな称号を与えられていた。貧しく、内陸部の奥地にあり、海外市場との交通の便が悪い四川省は、仕事にあぶれた膨大な数の農村部の住民に、別の場所で仕事を見つけるよう促すしか選択肢がなかった。 金堂のような県の役人は、

  • シリア不介入という選択の正当性

    (2012年2月28日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 「なぜ国際社会がこんなことが起きるのを見逃せるのか、ここにいる人は誰も理解できない」。メリー・コルビン氏はシリアのホムスで受けたインタビューで、こう言った。彼女自身がシリア政府軍の爆撃で命を落とす1日前のことだ。 勇敢な戦争ジャーナリストであるコルビン氏は、国際政治の世界で繰り返し生じるジレンマを的確に指摘していた。外部の世界には、一般市民の大虐殺をい止めるために介入する義務があるのかどうか、ということだ。 人道的には介入を望むのは当然 ひどい残虐行為を間近で見る人は、概してコルビン氏のような反応を示す。筆者が知っているジャーナリストでボスニア戦争をカバーした人は、ほぼ全員が固い信念を持った外部介入支持者になった。 これは人間として自然な反応だ。何しろ、来る日も来る日も罪のない人が死んでいくのを目の当たりにする。しかも、自国には膨

  • 教育の国際化:世界から完全に取り残された日本 どうすればグローバル人材の育成ができるのか(2) | JBpress (ジェイビープレス)

    教育のグローバル化を図った諸外国の取り組みについて、まず留学生の送り出しから見ていきます。 EUはエラスムス計画*1を通じて、学生の10人に1人は自国以外での留学経験を持たせ、「ヨーロッパ人」の育成をしようとしています。 *1 EU加盟国間の人物交流協力計画の1つであり、大学間交流協定等による共同教育プログラムを積み重ねることによって、「ヨーロッパ大学間ネットワーク」を構築し、EU加盟国間の学生流動を高めようする計画(参照:文部科学省ウェブサイト) さらに、ヨーロッパの教育を国際化させるために同計画と並行してエラスムス・ムンドゥスというプログラムも施行されており、ヨーロッパ以外の学生にも広く交流の機会を提供しています。 韓国では「グローバルリーダー10万人養成プロジェクト」として、30歳以下の青年を対象に、2009年から2013年までの5年間で海外での就業者5万人、海外でのインターンシップ

    教育の国際化:世界から完全に取り残された日本 どうすればグローバル人材の育成ができるのか(2) | JBpress (ジェイビープレス)
  • 上を向いて歩かなくてもいいじゃないか 「ネガティブ」を恐れない生き方とは | JBpress (ジェイビープレス)

    同調圧力という言葉がある。職場や社会で少数意見を持つ人に、多数派に合わせるように迫る露骨な、あるいは目に見えない圧力。 テレビや新聞が事あるごとに喧伝する「自粛」や「不謹慎」、あるいは逆に「前向き」や「自分を好きになる」といったポジティブさへの同調圧力に居心地の悪さを感じたことはないだろうか。 夢を持つ、成長する、という「前向き」なことに偏り、暗さを忌避する風潮に疑問を呈するのは『絶望名人カフカの人生論』の著者、頭木弘樹氏。頭木氏は難病で入退院を繰り返した経験から、平和で幸せな日常に絶望するカフカの失意の名言を編訳した。 一方、アメリカ的成功哲学の価値観の押し付けに異議を唱え、世間の「夢」の均質化を懸念するのが『他助論』の著者である清水克衛氏。清水氏は小さな書店の不利を逆手に取って、自身の店「読書のすすめ」のファンを獲得している。

    上を向いて歩かなくてもいいじゃないか 「ネガティブ」を恐れない生き方とは | JBpress (ジェイビープレス)
  • 民主主義の成熟度が試されている 東京の環八、千葉の成田空港問題と同じ「原発反対」 | JBpress (ジェイビープレス)

    「再稼働を断念し、遅くとも来春5月の全原発停止を受け入れ、脱原発に大きく舵を切るべきである」「末代にまで悪影響を与える原発再稼働は中止すべき」などの主張であるが、「で、どうするの?」という疑問には答えていないからだ。 街で原発再稼働反対の署名活動をしている人に、質問をしてみた。「それで、どうするのですか?」と。すると「再生可能エネルギーをもっと増やすのです」「足りない分は節電するのです」といった返事が返ってきた。 具体策のない意見、実現可能性のない意見は政策とはなり得ない。対案なく反対運動を起こすなら、それは無責任の誹りは免れない。 再生可能エネルギーは今の勢いでいくと、10年後には年間約500億キロワットの発電量が見込まれるという。それでも現在の総発電量の5%程度である。 これまで原子力発電は30%を占めていたので、残り25%はどうするのか。25%節電するというなら、「1日24時間の内、

    民主主義の成熟度が試されている 東京の環八、千葉の成田空港問題と同じ「原発反対」 | JBpress (ジェイビープレス)
  • まるでSFの世界、拡大する貧富の格差 華やかなカーニバルの陰で進む世界の二極化 | JBpress (ジェイビープレス)

    毎年2月から3月にかけてカーニバルの話題がメディアを賑わしてくると、寒い冬もそろそろ終わりだな、と感じるようになる。 ニースの「花合戦」、ベネチアの「仮面カーニバル」など観光の目玉とも言えるような存在が興味を惹くが、カーニバルとはもともとキリスト教圏各地で行われている年中行事。 そんな1つ、ロワール川沿いの都市ナントでカーニバルの女王となった女性をカトリーヌ・ドヌーブが演じる佳品『恋路』(1991)を見れば、住民に密着したものであることがよく分かる。 「肉よ、さらば」を意味するカーニバル

    まるでSFの世界、拡大する貧富の格差 華やかなカーニバルの陰で進む世界の二極化 | JBpress (ジェイビープレス)
  • 日本の電機産業:頂点からの転落

    (英エコノミスト誌 2012年2月18日号) かつて世界のリーダーだった日の電機メーカーが、転落の道をたどっている。 東京・銀座の高級ショッピングエリアでは、アップルストアは人でいっぱいだが、すぐ近くにあるソニーのショールームは墓場のように閑散としている。 日の最大手クラスの電機メーカーはここ数日間で、2011年度に合わせて170億ドルの赤字になるとの見通しを発表した。パナソニック1社だけで100億ドルの赤字を予想している。一方、韓国のサムスンは150億ドルの黒字を謳歌し、米国のアップルは220億ドルの利益を稼いでいる。 根深い病 日の5大電機メーカーは2000年以降、企業価値(株式時価総額)を3分の2も失った(図参照)。 一体何が各社を苦しめているのだろうか? 高コストと円高は不利に働く。これらのメーカーが当てにしていた税控除を請求できなくする最近の法改正も同様だ。だが、病気の根は

  • 米国経済:過剰な規制に苦しむ米国

    (英エコノミスト誌 2012年2月18日号) 自由放任主義の国が、過剰かつ出来の悪い規制で窒息しそうになっている。 米国人は、馬鹿げた規制を笑い話の種にするのが大好きだ。フロリダ州には、自動販売機にラベルが付いていない場合は通報するよう利用者に促すラベルを自動販売機に貼付することを義務づける法律がある。 連邦鉄道管理局は、すべての列車の正面に「F」とペイントしなければならないと定めている。どちらが前でどちらが後ろかを分かるようにするためだ。 メリーランド州ベセスダのおせっかいな役人は、子供たちが出していたレモネードの屋台を閉鎖した。起業精神に富んだ子供たちが販売免許を持っていないというのが、その理由だ。滑稽な例を挙げればきりがない。 だが、米国のお役所仕事は、笑いごとではなくなっている。問題は、馬鹿げていることが明らかな規則ではない。それ自体は理にかなっているように見えながら、全体として膨

  • ギリシャは民主主義のためにデフォルトしろ

    (2012年2月20日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) ドイツのヴォルフガング・ショイブレ財務相が追加支援の条件として、ギリシャは4月の選挙を延期すべきだと提案した時、筆者には、このゲームがもうすぐ終わることが分かった。我々は、支援の成功と民主主義がもう両立しないところに来てしまったのだ。 ギリシャはユーロ圏の植民地? ショイブレ財務相は、「誤った」民主的選択を回避したいと考えている。また、選挙は予定通り実施するが、選挙結果にかかわらず大連立内閣を組んでもらうという類似の案もある。 つまり、ユーロ圏は、自分たちが選んだ政権をギリシャに押しつけたいと思っている。ギリシャはユーロ圏にとって初めての植民地になるわけだ。 ショイブレ財務相のジレンマは理解できる。彼は連邦議会に受託者責任を負っている一方で、自分自身がうまくいかないと思っているプログラムの承認を求められているのだ。 確かに選挙の前に

  • 「もうアサドは怖くない」シリア国民の覚醒をリアルタイムで目撃した シリア革命:SNS参戦記(その2) | JBpress (ジェイビープレス)

    シリアで反政府デモ? ちょっとまだ第一報なので、正確なところは分かりませんが、シリア南部のヨルダン国境に近いダラアという町で反政府抗議行動があり、多数の若者(そのほとんどは15歳以下の子供だそうですが)が逮捕されたとの未確認情報が入りました。アラビア語サイトに出回った情報で、今のところ英文検索ではヒットしません。アラビア語サイトは誤報も多いので現時点では判然としませんが、続報が注目されます。 これは、筆者が細々と続けているブログに掲載したエントリーだ。アップした日付は東日大震災が発生した3月11日の5日前。2011年3月6日である。 中東では当時、「アラブの春」が大きなうねりとなっていた。チュニジアの政変が1月14日、エジプトのムバラク大統領辞任が2月11日。その頃には反体制デモは中東全域に広がっていて、3月に入ってからは、特にリビアが格的な内戦の様相を呈してきていた。筆者のブログも、

    「もうアサドは怖くない」シリア国民の覚醒をリアルタイムで目撃した シリア革命:SNS参戦記(その2) | JBpress (ジェイビープレス)
  • 定年延長:高齢者は若者に道を譲るな

    倒れるまで働け――。多くの人は、定年の引き上げを求める向き(誌=英エコノミストを含む)の主張をこう特徴づける。 寿命は着実に延びているかもしれないが、大変な思いで働く年数を増やしたいと思う人はあまりいない。実際、フランスの社会党は、最近60歳から62歳に引き上げられたばかりの定年(年金支給開始年齢)を元に戻したいと考えている。 長く働くことに対する抵抗は、1つには、人は35~40年働いた後には、のんびり過ごす権利があると感じる傾向があるからだ。だが、多くの人が、高齢者は退いて、若者が代わりに仕事に就けるようにすべきだと考えているせいでもある。 フィナンシャル・タイムズ紙のコラムニスト、ルーシー・ケラウェイ氏も最近こうした意見を表明し、「若者は昇進できない。なぜなら、どこを見ても、自己満足に陥った私の世代が居座っているためだ」と書いた。 労働塊の誤謬 エコノミストなら、この論理の不備に気づ

  • 意思決定者がいないから生産性が上がる「日産の会議」 | JBpress (ジェイビープレス)

    人が集まって課題にどう取り組むかを決めていく。会議の役目そのものは大切だ。しかし、実際に会議を行うとなると、結論はさておいてのムダな雑談になったりで、ボスの顔色うかがいになったり、とかくネガティブな印象が付きまとう方も多いかもしれない。 なぜこうも会議は嫌われるのか。そのテーマはまた改めてじっくりと考えたい。この記事でテーマにしたいのは、「生産的な会議をいかに行うか」という現実的な問題だ。 「うちの組織の会議をどうにかしたい」。そんな問題意識を持っておられる方々に伝えたい会議がある。それは、あの日産自動車の社員たちが日々行っている会議だ。 意思決定者は会議室から出ていった カルロス・ゴーン氏が1990年代の終わりにやって来てからというもの、日産は様々な組織改革を行ってきた。工場閉鎖や販売店統廃合といった“大なた”を振るった印象が今も強いかもしれない。一方で、課題解決のための会議にも新たな手

    意思決定者がいないから生産性が上がる「日産の会議」 | JBpress (ジェイビープレス)
  • 怒りに燃えるギリシャ、ドイツ批判と占領の記憶

    街角のデモで、暴徒がドイツの国旗を燃やしている。デモのある参加者はギリシャ銀行(中央銀行)の正面玄関に落書きし、「ベルリン銀行」と読めるようにしている。 また非常にショッキングなことに、ギリシャのある右翼系新聞は、ドイツのアンゲラ・メルケル首相にナチスの制服を着せた合成写真を掲載し、その下に「Memorandum macht frei(メモをのめば自由になる)」という見出しを掲げた。 外国の債権者たちがさらなる財政緊縮策を要求しているメモ(memorandum)と、アウシュビッツ強制収容所の門に掲げられていたスローガン*1をほのめかす見出しだ。 このように不安な時期に反ドイツの感情が示されることは、ギリシャでは珍しいことではない。経済破綻とユーロ圏離脱を回避しようともがいているギリシャは今、欧州という家族に確固たる居場所を持つ国だという自己イメージが崩れかねない状況に直面している。 ナチス

  • ユーロ危機でドイツを叩く不条理

    最近、ドイツの外務省にとって、欧州各地の報道のチェックは気持ちのいい作業ではない。 「ちょっと見てくださいよ。こんなものは、とても受け入れられない」。ある外交官はそう嘆きながら、シルビオ・ベルルスコーニ氏所有のイタリア紙イル・ジョルナーレの1面に載った記事を指さした。 ユーロ危機とアウシュビッツを結びつけ、ドイツの傲慢さに気をつけろと警告し、ドイツは単一通貨を兵器に変えたと断じる内容だった。 もはやタブーでなくなったナチス・ドイツへの言及 ギリシャの新聞も大差ない。ナチスによるギリシャ占領に言及する際のタブーは、ずいぶん前に破られている。 「ドイツ人は嫌なヤツだ」との見方が南欧全域で息を吹き返している。ドイツは他国を貧困に追いやり、各国の政府から権限を奪い、大抵は誰にでも偉そうに命令する、という具合だ。 これに比べればはるかに丁寧とはいえ、ドイツ叩きは政府などの要職に就く人々によっても行わ

  • 韓国のビジネスマンは夜も猛勉強 ソウル大学の夜間コースに通ってみた | JBpress (ジェイビープレス)

    韓国のビジネスマンや官僚は朝早くから夜遅くまで当によく働く。最近は、さらに、夜は大学に通って勉強をし、併せて人脈拡大を図るのがブームだ。韓国でも最も人気の高いソウル大学の夜間コースに2011年9月から6カ月間、実際に通ってみた。 筆者が通ったのは、名称から勇ましい夜間コースだ。国立ソウル大学の自然科学学部科学技術革新最高戦略課程(SPARC)。名称の通り、自然科学を学ぶための主に経営者向けのコースだ。 仕事を終えてから自然科学を学ぶビジネスマン コースは半年間で、秋学期は9月から翌年2月まで。年末年始、旧正月などの休暇があり、実際の講義は13週間だ。毎週火曜日の午後6時半から90分の講義が2コマあり、合わせて26コマの講義を受講できる。 講義がある火曜日の午後5時半すぎになるとソウル市中心部から30分以上はかかるソウル大学キャンパス内にある自然科学学部にネクタイにスーツ姿のビジネスマンが

    韓国のビジネスマンは夜も猛勉強 ソウル大学の夜間コースに通ってみた | JBpress (ジェイビープレス)
  • インドの格差社会はいつまで遠い世界の話と言えるのか | JBpress (ジェイビープレス)

    インドの首都ニューデリー郊外のインディラ・ガンジー国際空港からタクシーで30分ほど行くと衛星都市グルガオンに着く。 そこには外資系の大きな看板を掲げたビルやショッピングモール、また、瀟洒なマンションが立ち並んでいる。グルガオンはBRICsの一角として注目されるインドの発展を象徴する街と言ってよいだろう。 衛星都市の方が開発が進んでいるのはなぜか グルガオンとニューデリーの間は地下鉄で結ばれている。電車は数分に1あり、約40分でニューデリー中心部に行ける。 この地下鉄に乗ってみて奇妙なことに気がついた。朝の通勤時間にニューデリーの中心部からグルガオンに向かう電車が満員になっているのである。反対にグルガオンからニューデリーに向かう電車はそれほど混んでいない。多くの人が首都から衛星都市に通勤している。 ニューデリーの街を歩くと、その理由がすぐに分かった。経済成長に伴い官庁街のある中心部の整備は

    インドの格差社会はいつまで遠い世界の話と言えるのか | JBpress (ジェイビープレス)
  • ギリシャとポルトガルは破産させるべきだ

    今から2年前、欧州の政策立案者の大半はまだ、ギリシャが何とか切り抜けるだろうと思っていた。彼らには、金融危機に対処した経験がなかった。 過去に危機に対処した経験を持つほかの国々や地域の政策立案者に相談することすらしなかった。知識のなさと不遜な姿勢が相まって、彼らは誰もが犯した過ちを繰り返す羽目になった。 彼らは実際、景気刺激的な財政再建なる概念を思いついた自分たちは頭がいいと考えていたし、民間部門の自発的な関与(PSI)も問題解決に当に貢献し得ると思っていたのだ。 完全な失敗だったギリシャ救済策 他人のミスから学ぶことに失敗した後、一部の国は自分の失敗から教訓を学び始めている。欧州北部の国々の政策当局者たちは、ギリシャ救済プログラムが完全な失敗だったことを理解し始めている。彼らはまた、ギリシャの政治に対する信頼を失ってしまった。 不況が5年目に突入し、ギリシャの国内総生産(GDP)が緊縮

  • 「焼肉」は日本で独自に発展した料理だった 調理法も器具も日本オリジナル | JBpress (ジェイビープレス)

    焼肉のルーツといえば、朝鮮半島に決まっているじゃないかと誰もが思うだろう。なのになぜ改めて取り上げるのか、という声が聞こえてきそうだ。 私もこの連載を始めるまでは、焼肉のルーツに関心を持ったことはなかった。だが、この連載を始め、定期的に図書館に通い、文化の書棚の前を頻繁に行き来するようになってから、ふと気づいたのである。 焼肉をテーマにしたがけっこうあるんだな、と。 考えてみれば、焼肉と韓国料理とはずいぶん違う。韓国料理の初体験がいつだったか、今となっては正確に思い出せないのだが、おそらくソウルオリンピック(1988年)からしばらく経った1990年代前半だったのではないか。 ソウルオリンピックを機に新大久保のコリアンタウンがメディアで大きく取り上げられ、骨付きカルビや豚の三枚肉を焼くサムギョプサルなど、「場」を謳った料理が次々と紹介された。脂身たっぷりの肉の塊。辛みと甘みが利いたパン

    「焼肉」は日本で独自に発展した料理だった 調理法も器具も日本オリジナル | JBpress (ジェイビープレス)
  • 頭が良くなりたければ、まずバカになりなさい 表と裏の切り替えが人生を豊かにする | JBpress (ジェイビープレス)

    常識的に考えているつもりのことが、実は「考えている」の正反対、思考停止になっていることが少なくない、というお話です。 これと同時に、考えない方が考えることになる、あるいは「案ずるより産むが易し」ということもある、という下の句がつきます。 一か八か、逆転か正転か、ではなく正逆両方あって初めてベーシック、お好み焼きは表裏両面焼きますよね。「上から焼くか、下から焼くか、それが問題だ!」などとハムレットのような悩みを抱え込んでも、ほとんど意味がない、そんなあたりを考えてみたいのです。 お勉強は頭を使わない?

    頭が良くなりたければ、まずバカになりなさい 表と裏の切り替えが人生を豊かにする | JBpress (ジェイビープレス)
  • 「対金融戦争」に突入する西側諸国

    (英エコノミスト誌 2012年2月4日号) 自分の債権者を攻撃するのは奇妙な戦略だ。 世論調査によればフランスの次期大統領になるされているフランソワ・オランド氏は、来る選挙では金融が「真の敵」になると主張する。英国は先日、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)の前CEO(最高経営責任者)からナイトの爵位を剥奪したばかりだ。 ニュート・ギングリッチ氏でさえ、プライベートエクイティ業界の「ハゲタカ資主義者」を攻撃している。もしかしたら西側諸国は「対テロ戦争」に倣って、勝利をどう定義するのかが不透明なまま、「対金融戦争」に突入しようとしているのかもしれない。 政治家が抱く3つの不満 政治家は、金融部門に主に3つの不満を抱いているように見える。 まずは、バンカーたちが多く稼ぎすぎていること。2番目は、銀行が無謀なリスクを取り、その後、政府による救済を必要とすること。そして3番目の不満は