■日本の社長'94 任天堂株式会社 広報担当部長 今西紘史 プライス競争よりもクオリティー競争へ 世の中では不況と言われていますが、テレビゲームというメディアが衰退しているわけではないのです。去年12月のスーパーファミコン用ソフトの製造本数は800万本という数にのぼっていますしね。ただ、いまのゲーム業界というひとつのマスのなかには、たくさんのソフトメーカーがありまして、競合しあっている状況ですよね。そういう状況のなかでユーザーは、ますます選択肢が広がっている。とうぜん、クオリティーの高いソフトが売れていくわけです。 昨今では低価格がトレンディーという風潮がありますが、これは何か間違った流れではないか? 本来はクオリティーと価格の、つまりはユーザーが10000円という価格に見合っているかどうか、で買う買わないを判断するわけですからね。ファミコンが発売されてから今年で11年目になりますが、いま