内田篤人は岐路に立っている。 昨シーズンのような絶対的なレギュラーではなくなってしまった。リーグ前半戦17試合のうち、5試合だけの出場。前半戦最後の2試合では、ベンチ入りメンバーからも外れた。 9月にはステフェンス監督が就任した当日に、右足太ももの肉離れを起こしてしまい、1カ月近く戦列を離れることになった。苦しい現状を招いたきっかけは、その怪我から復帰したあとにあった。 11月19日のニュルンベルク戦でおよそ2カ月ぶりにリーグ戦に出場した翌週のこと。 直後に控えるドルトムントとのレビアー・ダービーに向けての紅白戦が行なわれていた。内田も、主力組の右サイドバックとしてプレーしていた。その日、見られたのはあまりに衝撃的な光景だった。 紅白戦でステフェンス監督が内田に激昂するという異常な光景。 内田のすぐそばでボールがサイドラインを割った。ステフェンス監督が怒鳴りつける。 「なぜ、ボールを拾いに